「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学に行けば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。一方で、「学歴」だけで人生の成功が約束されるものではありません。
本記事では「学歴だけではなく、大人になってからもなぜ学びが必要なのか」をテーマに『学びをやめない生き方入門』(テオリア)の著者であり、立教大学経営学部教授の中原淳氏と『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』の著者である、wakatte.TVのびーやま氏への特別対談をお届けします。(構成:藤田悠[テオリア]/撮影:Akifumi Shintani)
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お悩み相談
「学歴コンプレックスがあります。Fラン出身の時点では人生詰んでる。幸せになれるはずがありません」(40代男性・会社員)※1
「Fランだから詰んでる」は思い込み?
びーやま:大人になってからこう思っている人、めっちゃ多いと思いますよ。
中原淳(以下:中原):そうなんですか。「人生詰んでる」というのは、どういう意味なんだろう?
びーやま:「先が見えない」ということだと思いますね。「もう自分は幸せになれない」と決めてしまっている。
中原:その理由が「Fランだから」? でも、日本って学歴によって生涯年収がバカみたいに変わる国じゃないですよ。Fラン卒と中堅クラスの大学卒って、生涯年収は5000万円も変わりませんよ。
びーやま:たしかに。僕も『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』で書いたんですが、アメリカとかのほうが学歴による収入差はずっと大きいですよね。修士や博士を持っている時点で、賃金水準が跳ね上がるようになっている。
中原:そう、アメリカのほうがよっぽど「超学歴社会」ですよ。日本はまったく学歴社会じゃない。むしろ、国際的に見れば「低学歴社会」です。社会人になってからのがんばりで、なんとでもなる可能性が、ぜんぜん開けている世の中だと思います。



