学びが「幸せ」につながる

びーやま:じゃあ、この人の「人生詰んでる」も単なる思い込みかもしれませんね。ちょっと厳しい言い方をすれば、Fラン卒を言い訳にして、がんばらない自分を正当化してしまっているのかもしれません。

 ただし、就職活動の現場では「学歴フィルター」が存在するのも事実ですよね。Fラン出身の人は就活のときに「書類すら見てもらえなかった…」という経験をすることも多い。だから早い段階で「自分は社会に受け入れてもらえないんだ…」という「傷」を負ってしまっているんだと思います。

 そういう人たちはまず何からはじめればいいでしょう?

中原:やっぱり「学び」だと思いますよ。『学びをやめない生き方入門』でも「学んでいる人ほど主観的幸福度が高い」というデータを紹介しました。

図表

 そこで邪魔になるのが「自分は学べない」という思い込み(バイアス)なんですが、それを突破するための方法についても本の中でたくさん取り上げています。

びーやま:たしかに「学びをめぐるバイアス」って、じつは我々の中にものすごくたくさんある。

 学歴YouTuberをやっていると、そこを「こじらせて」いる人を数えきれないほど目にします。だからこそ、僕らのチャンネルが伸びてきたわけですが…僕らも「学びのバイアス」を抜け出す道を、一緒に探っていきたいですね。

中原淳氏(左)・びーやま氏(右)中原淳氏(左)・びーやま氏(右)
※1:本記事ではびーやま氏、もしくは編集部宛に届いた悩みを扱っております。
中原淳
立教大学経営学部教授。立教大学大学院経営学研究科リーダーシップ開発コース主査、立教大学経営学部リーダーシップ研究所副所長などを兼任。博士(人間科学)。1998年東京大学教育学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科で学び、米マサチューセッツ工科大学客員研究員、東京大学准教授などを経て現職。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発・リーダーシップ開発について研究している。著書に『M&A後の組織・職場づくり入門』『組織開発の探究』(共著、HRアワード2019書籍部門・最優秀賞受賞)、『研修開発入門』(以上、ダイヤモンド社)、『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)ほか多数。

びーやま
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。