大阪万博ってぶっちゃけ成功したの?データで読み解く“不都合な真実”…維新と自民タッグに関西財界のホンネとは?Photo:JIJI

高市早苗首相の外遊が終わり、内政で注目されるのが、自民・維新の連携だ。夏の参院選では大阪での投票率を10ポイントも下げ、党勢に陰りが見えた日本維新の会は、「万博成功」報道も追い風に支持を回復させている。維新が狙うのは、ポスト万博で重要な大阪・関西経済の再興だ。その鍵を握るのがカジノIRであり、2030年開業を目指して夢洲で整備が進む。万博と維新の“不都合な真実”を、データも踏まえて読み解く。(ライター 三浦健史)

吉村氏に大阪府民が寄せる期待
万博は誰のためのイベントだったのか

 まさに吉村洋文大阪府知事の、狙い通りの展開ではないだろうか。大阪・関西万博が「成功した」との報道も追い風に、自民党と日本維新の会が閣外協力したことで、吉村氏は評価を上げているように見える。

「日本人ファースト」が流行する中、維新の会はそうした動きの元祖といえる。「大阪ファースト」的な考えを主張することで、大阪の地盤沈下を嘆き悲しむ府民の支持を多く集めてきた。不祥事が頻発しようが地元で選挙に強いのは、万博開催など目に見える形で大阪優先を実現してほしいと期待する人が多いからだ。

 維新を支持する・しないに関わらず、大阪府民の万博への支持は高かった。当初350万人と計画していた海外客は、ふたを開けてみれば半分以下で終わった。関西以外からの来場者も、目標に達していない。

 その穴を埋めたのが、大阪府民である。複数の公式調査から推計すると、当初665万人と計画していた大阪からの来場者数は、約1.5倍となる1000万人を超えた。結果、地元民が全入場者数の4割を占めたイベントとなった(表「大阪・関西万博のエリア別来場者数」)。

関西財界で前売券「事前お伺い」
テレビはポジティブ機運を醸成

 筆者の周りでは、「職場で配られた万博チケットが、家族や友人知人などを通じて大量に出回っていた」「チケットをタダでもらったから行ってみたら、思いのほか楽しかったので自腹で通期パスを買ってリピーターになった」という人が実に多い。