受験に親ガチャなんてものはない

――手厳しいですね。

びーやま:そうなんですが、世の中の親御さんが「親ガチャ外れ」みたいに言われているのは、なんか嫌なんですよね。「いや受験くらいはあなたの努力でできるでしょ」と。

 仮に東大・京大みたいなレベルであれば、100歩譲って家庭環境が関係したとしても、世の中にはほかにいい大学なんてたくさんあるわけですよね。しかも科目も選べるわけで。しかも、先ほども言ったとおり、東大生だって一般家庭出身の人は多いわけですから。

――よくわかりました。1つ気になったのですが、東大生の一般家庭というのはどんな親御さんが多いイメージですか?

びーやま:子どものやりたいことを否定しない親御さんが多いイメージです。もちろん、金銭的にダメなこともあるけど、なるべく本人の意思を尊重して育ててきましたみたいな家庭が多いイメージです。

 こういうことを言うと、「うちの子は言わないとやらない。東大生は特別」みたいな反論も多いんですが、それはそれでいいんじゃないですかね。別に子育てに正解はないわけですし、スパルタで受かる子も当然いますからね。その家庭なりの二人三脚があればいいと思います。

 ただ、東大生の親は、子どもにそれとなくやる気を出させるのがうまいというか、本人が自発的にやりたくなる環境を整えるのが上手な気がします。子ども側も「自分でやる」と言った以上は責任も芽生えるという効果もあるようには思います。

 逆に「親に言われているからやっているだけ」みたいな感じで、子どもがどこか他責思考になるのはよくないのかなと感じていて、どんなきっかけであれ、受験をするという選択自体は子どもが自分で決めるようにしてほしいところです。

――よく理解できました。いずれにしても「親ガチャ」ではないわけですね。

びーやま:間違いないですね。「親ガチャ」だけで学歴が決まるんだったら、受験時に親の学歴でフィルターなりかけてしまえばいいわけで、そうなっていないのは、常に誰にでも「大学の門」が開かれている証拠でしょう。

 両親、祖父母ともに高卒で子どもは東大生みたいなケースも全然めずらしくないですから、才能なんて幻想に踊らされることなく、今この瞬間も解ける問題を1つでも増やしてほしいです。応援しています。

――本日はありがとうございました。大変勉強になりました。

※1:本記事ではびーやま氏、もしくは編集部宛に届いた悩みを扱っております。
びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。