そう質問すると、「食べかすと虫歯は関係がない」と前田氏。

「もちろんずっと食べかすを放っておくと、口臭の原因にもなるので取ったほうがいいですよ。ですが、例えば歯と歯の間に肉が挟まっているからといってすぐに虫歯になるわけではありません」

「虫歯も歯周病も原因はプラークです。白くネバネバしたバイキンの塊ですね。これを落とすのに歯ブラシでこする必要があるのです」

 だから食べかすが口腔内に残るのが気になるなら、最初は何もつけないで歯を磨き、口を十分にゆすいでから、仕上げにフッ素配合の歯磨き粉をつけて軽く磨く(そして口をゆすがない)形でもOKとのこと。

「2+2+2+2テクニック」で
歯磨きは頑張りすぎなくていい

 私はそのやり方で、3~4分程度しっかり磨いてから、最後にフッ素入り歯磨き粉をつけて軽く磨き、おしまいにする。合わせて5分かからない。ポイントは最後にフッ素が口の中に残ることなのだ。最初は口の中に歯磨き粉が残ることに抵抗があったが、慣れればけっこう平気である。

 また磨く時間は、フッ素の虫歯予防効果を期待するなら、一日1回では効果が薄く、朝食後と就寝前の一日2回は磨いたほうがいいという(もちろん毎食後に磨いても問題ない。私は1日2回にしている)。

 1日「2回」、「2センチ」ほど盛り付けたフッ素入りの歯磨き粉で「2分間」磨いたのち、30分以上最大「2時間まで」は飲食やうがいをしない――4つの2から成るため「2+2+2+2テクニック」と呼ばれるイエテボリ法歯磨き。

 日本人は基本的に真面目なので、日々、歯磨きを頑張っている人が多いかもしれないが、変に力を入れなくてもいいことがおわかりいただけただろうか。

食事の回数が一日4回までなら
虫歯になりにくい

 そしてもうひとつ、砂糖を含むものをだらだらと食べたり飲んだりしないことも大切だ。どうしても砂糖を含む甘いものが食べたい時は食直後のように食事とセットにするか、おやつの時間に。

 食事の回数が一日4回(朝、昼、夜に加え1回の間食)までなら虫歯になりにくいことがわかっている。そのため私は原稿を書くときにいつもそばにあったチョコはおやつの時間にし、今は執筆中におなかがすいたら前田氏も食べているという「ゆで卵」を選んでいる。

 正しい歯のメンテナンスを行う歯科医院を選ぶとともに、これらを歯を守る新常識にしてほしい。

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次回「「まるで生ゴミ」口臭が強くなる《意外な飲みもの》、臭いを軽減する《身近な飲みもの》とは」は11月9日(日)に配信予定です