「歯の磨きすぎ」が知覚過敏や虫歯を招く
「食後に2分間のブラッシング」でOK
一つ目は、磨きすぎに注意。「歯を磨けば磨くほど良いわけではない」ということだ。歯周病の進行など人により異なるが、私のように良かれと思って1回につき10分間の歯磨きを行うことが、「長い」人もいる。前田氏も「患者さんの中で磨きすぎの人は非常に多い」という。
「特に硬い歯ブラシで長い時間磨いていると、徐々に歯が削れて、歯の根っこ近くにある象牙質(茶色の部分)が露出してしまいます。象牙質は柔らかい組織なので、そのまま磨いていればさらに歯が削れてしまい、歯の根元が大きく欠けてしまうのです。この状態を『くさび状欠損』といいます」
くさび状欠損になると、むき出しになった象牙質には神経につながる無数の穴が開いているため、知覚過敏になりやすいという。
「欠損は合成樹脂で埋めて修復しますが、その治療が適切なやり方(ラバーダム治療など)でないために、プラーク(歯垢)がたまったり、虫歯になってしまうことがよくあります。そして最後は『抜きましょう』と。そのスタートは“磨きすぎ”なのです」
歯磨きは分数ではないのだ。磨けていれば数分でも問題ない。前田氏が提唱するスウェーデンにあるイエテボリ大学が考案したイエテボリ法という歯磨き法は「食後に2分間のブラッシング」を推奨している。
ダメな歯科医院かどうかは
「歯石の取り方」でわかる
とはいえ、自分の磨き方が正しいのかどうかわからない人がほとんどだろう。
そこでポイント二つ目になる。染め出し液を使って磨き残しをチェックしてくれ、正しいメンテナンスをしてくれる歯科医院を見つけることだ。
メンテナンスというと、歯石をガリガリ削ることと思っている人が多いのではないだろうか。歯科衛生士がスケーラーと呼ばれる器具を使って、歯石をガリガリと除去する手段だ。ツルツルに研磨されるため、確かに歯はきれいになる。
しかし、この方法は歯の健康なところも削るため、繰り返すうちに歯が細く弱くなってしまい、最後はポキッと折れてしまうこともあるという。







