「大人はこうあるべき」「友人ならこうすべき」「親ならこれくらいやって当然」――。相手や自分への“期待”が重すぎて、毎日が窮屈になっていないだろうか。他人が期待どおりに行動するとは限らないし、自分だって相手の期待に応える必要はない。発売前から注目されている新刊『人生は期待ゼロがうまくいく』(著:キム・ダスル、訳:岡崎暢子)は、他人や自分との適切な距離を見極め、人生を軽やかに生きるための87の習慣を教えてくれる「人生の指針」となる本だ。本稿では、同書から内容の一部を抜粋・再編集してお届けする。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
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温厚な人は突然「爆発」する
きつい性格の人ならとっくに感情的になっているような場面でも、温厚な人は取り乱したりしない。まるで何ごともなかったかのように、すんとしている。
彼らは、そもそも争いを好まないタイプだ。後先考えずにカッとなり、エネルギーを浪費することがどれほど虚しいかを、よく知っている。だからこそ不満を飲み込み、受け流そうとする。普段からことを荒立てず、凪のように静かに生きたいと思っているのだ。
温厚な人が怒らないのを見て、つけ込もうとする人間が世間には一定数いる。あれこれ突っかかったり、傷付くようなことを平気で言ってきたりもする。
そんな無礼に対しても温厚な人たちがただ黙っているのは、言い返せないからではない。彼らは、静観しているのだ。
無礼な人間の振る舞いが一線を越えたとき、温厚な人たちは、そっと距離を取る。相手に気付かれないほど静かに見切りをつけるのだ。無理して付き合わなくても十分に生きていけることを、よく理解しているからだ。
(本記事は『人生は期待ゼロがうまくいく』から一部を抜粋・再編集したものです。)



