小学生のとき、学校が世界のすべてだった

このように、就活生と社会人では人生観が異なります。

就活生は、「就活で人生は決まってしまう」「うまくいかなかったら人生終了だ」と考えるのに対して、社会人は「就活だけで人生は決まらない(そんな単純じゃない)」と考える人が多い。

これは小学生の時のことを思い出すとよく分かります。

僕は小学4年生の時に両親が離婚し、転校を経験しました。転校先では顔が長いので「大根だ」と言われたり、(しかも「だいこん」じゃなくて「おおね」と呼ばれるので余計に辛い)、上履きを隠されたりと嫌な思いをしました。

その結果、シャワーを浴びながら「消えたい」と思ったことが何度もあります。朝、おはスタを見ながら「学校に行きたくない」と震えていました。

そのときの自分に対して、今なら「そんなことで思い悩む必要はないよ」「小学校の友達なんて将来関わることなんてないんだから」と諭すことができるでしょう。

ですが、その時の自分にとっては、小学校が世界のすべてでした。

同じように、就活生にとっても「就活の成功」こそが世界のすべてです。

最初の1社目で人生は決まらない

だからこそ就活生に対して、社会人目線でうんぬんかんぬん言うことは的外れかもしれません。

ですが、1つだけ言えることがあります。

それは「就活でうまくいったように見える人も苦労している人は多い」ということ。

周りと比較すると、他の人は就活がうまくいって、人生安泰のように見えるかもしれません。

でもそうじゃない。

僕の同級生は、超有名な大手商社に入社してから、1年で体調を崩して退職しました。その後、地元の中小企業に入って、その時よりも幸せに仕事をしていると言います。印象的な彼の言葉が、「年収は半分になったけど、幸せは10倍になったな」という言葉です。

そして僕自身も新卒でカゴメに入社できましたが、1年で退職。2年間、週末に派遣スタッフのアルバイトをして食いつなぐ生活をしていました。

コンサートのスタッフをした時は、大学生から「お前、邪魔だよ」と言われて、本当に悔しかったことを今でも覚えています。

これらから言えること。

それは「最初の1社目で人生は決まらない」ということです。

もちろん新卒で入社した企業が超大手で、安定していて、給料も良ければ、満足できる可能性は高い。

ですが、それでも「やっぱりもっと挑戦できる環境が良い」と思うかもしれないし、「部署を異動したら上司が本当に合わない」となるかもしれない。

僕は今、経営者の方と会うことが多いですが、成功しているように見えて、小さなことに幸せを感じられなくなっている人も多いんです。それを否定はしないですが、僕は散歩をして小さな幸せを噛み締めるように生きたいと思っています。

仮に就活が最後までうまくいかず、既卒で就活をしたり、アルバイトで生活することになるかもしれない。

でも、いつからでも正社員になることはできますし、アルバイトをすれば生活はできます。「時間持ち」である若者であれば、何度でも挑戦することができます。

今、AIが進化してますよね。

それによって、これまで勝ち組だとされていたホワイトカラー(オフィスでパソコンする仕事)よりも、ブルーカラー(体を動かす仕事)の方が需要が高まり、勝ち組だと言われるのではないかと言われています。

このように外の世界も目まぐるしく変わります。だからこそ、「就活だけで人生が決まる」というのは間違いです。

長くなりましたが、今の時期に内定がなかろうが、それだけで人生終了なんてことはありません。

生きていれば、自分が変化せずとも、環境が変化して追い風が吹くことだってあります。辛い時は、ぜひ「生きてるだけで偉い」と自分に言い聞かせてください。

まとまりのない文章になってしまって恐縮ですが、1つでも刺さってもらえる言葉があれば、本当に嬉しいです。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

陰ながら、あなたの就活を応援しています。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです