「大企業に内定した友人がいるなかで、私はどの企業からも内定を取れません。自分が否定されているようでしんどいです」
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、周りが内定を取り始めている中で、自分がなかなか内定に辿り着けない時の考え方について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

売り手市場、だからこその「恐怖心」がある

近年、就活の早期化が進んでいます。その結果、就活が本格化する3月までに半数の人が内定を持っている状況に。

それゆえにこの時期に就活を始めていなかったり、早期選考を受けていても途中で落ちてしまった就活生は、「自分は出遅れている」と考えてしまいがちです。実際に、「大企業に内定した友人がいるなかで、私はどの企業からも内定を取れません。自分が否定されているようでしんどいです」と言った悩みを聞いたことがあります。

周りが二次選考に進んだり内定を獲得する中で、自分だけが内定まで辿り着けなかったらどうでしょうか。

「自分はどの企業からも必要とされていないのではないか」と考えて当然ですよね。

これに対して、周りの大人は「大丈夫だよ!」とか「なんとかなるよ!」と言いますが、同じ状況になったらそんな楽観はできません。

だって、周りの友達が内定をもらう中で、自分はなかなか内定を取れない。

そんな状況、あまりにも辛いですよね。

そしてその辛さは、本人しか分からないものです。

先日、Xで就活がうまくいかないことによる若者の自殺のニュースを目にしました。

そのコメント欄では「就職氷河期世代はもっときつかった」というコメントが目立ちます。

たしかに就職氷河期世代の厳しさは間違いありません。

ですが、人間は「今の状況で他者と比較する」ものだと僕は考えています。

今はたしかに売り手市場で、内定が出やすいかもしれない。

でも、だからこそ周りの就活生と自分を比較して、追い詰められやすいという状況もあるのです。

大学生と社会人の「人生観」の違い

そして、先程のニュースのコメントを見て、大学生と社会人の人生観の違いを感じました。大学生はどうしても「就活でうまくいかないと人生が終わってしまう」という考えを持ちます。

これは大学受験と同じで、第一志望に受からなかったら思い描いていた人生を歩めないと錯覚してしまうのと同じです。

一方で、社会人になると就活で人生が決まらないことが分かります。

なぜなら、良かれと思った会社が自分に合わないことも当然ありますし、仕事が合わなかったり、上司がむかつく人だったり、数々の「挫折」を経験するからです。

そしてその挫折によって「変化」を経験する。

変化によって、自分で人生を変えていけるんだという実感を得る。

ほんの小さな変化でも、変化を経験することで「こうなったら人生終了」という固定概念を壊すことができます。

その結果、社会人は就活生に対して「大丈夫だよ!就活で人生は決まらないよ!」ということを“経験則で”話すことができるのです。

ですが、経験を持たない就活生にその言葉はなかなか刺さりません。