ランニングが育てる
5つのビジネススキル
外資系金融機関でマネージングディレクターを務め、年収5000万円以上を稼ぎ出すAさんが「ランニングの効用」として5つのポイントを挙げてくれた。
1. オブジェクティブ(目標)
「ただ走るだけでは意味がない」とAさん。ランニングをして仕事のパフォーマンスも上げる人は、「時間をかけて目標にコミットして、達成する」という考え方をランニングでも実践していると言う。
走る前に「1時間で10キロ」「週に50キロ」「年間3000キロ」といった「ゴール設定」をする。そのゴールを達成するために、自分に足りない点を分析して、ゴールとの差を埋める手段を考えて、実際に行動する。やや大袈裟に聞こえるかもしれないが、目的を持ったランニングを継続して取り組めるようになると仕事の進め方も変わってくるそうだ。しかし、これが年収5000万円以上を稼ぐ人間の認識だと聞くと説得力がある。
雑誌の編集に関わっていたとき、トップアスリートのインタビューをしたことがあるが、結果や課題の分析が明確にできている人が多いと感じた。それぞれのスポーツについては私は専門的な知識ないので、それが的を得ているかどうかはわからない。しかし、端的でありながら論理的な話振りに驚かされることがある。
ランニングといった身体操作におけるPDCA思考がビジネスでも活用できるとAさんは言う。しかし、PDCAを回すという点においては、スポーツもビジネスも上達の方法は同じなのかもしれない。
加えて、「今日もやるべきことをやった」という成功体験から1日を始めることで、ポジティブな気持ちで仕事を始めることができるそうだ。
2. アダプタビリティ(適応力)
ランニングでは、悪天候、体調不良、時間的制約など、走るのに理想的ではない環境に直面することがある。そうした状況で「今日は仕方ない」と距離や質を下げてしまう人もいるが、仕事でも同様に、適応力がない人は環境の変化に対して自らの基準を下げてしまう傾向が見られる。
一方で、優れたランナーは調子が万全でなくとも、ペースやピッチを調整し、可能な範囲で成果を積み重ねていく。完全な状況が備わっていなくても、状況を見ながら目標に向け最適解を探し続けることができる。この「柔軟にやり方を変えても、やるべきことはやる」というのがビジネスにも必要なアダプタビリティだ。







