身体を動かし「走る」ということだけに集中することで、職場の重責を忘れて脳を空っぽにすることができるそうだ。結果として、疲れを取ることができるらしい。走るというリズム性運動を行うことにより、脳の血流が増加し脳機能が向上し、セロトニン(幸せホルモン)が分泌され気分を安定させる効果があるからだ(※2)。
朝のランニングで脳の疲れを取りストレスを発散することで、仕事の効率を上げられる。ランニングをする人の年収が高いと言うデータを紹介したが、Aさんの話を聞くとより納得感がある。
5. 冴えたクリエイティビティ(創造力)
ランニングは、いつ走るのかが重要だとAさんは言う。「早朝」にランニングをすることに意味があるそうだ。
一般的に創造力は、朝起きがけに発揮されると言われている。走っている間は脳を空にし、何も考えずに走るのが一般的だ。しかし特に意識することがなくても、途中でふと「ひらめき」を得ることが多いという。
そのひらめきがビジネスにおいて有益なことがある。マネージングディレクターの仕事は現場で数字をつくることではなく、経営視点での戦略立案を担うポジションである。そのことを考えると、早朝から長時間のハードワークをするより、ランニングによってクリエイティブな思考力を保っておくことのほうがより重要と言えそうだ。
学生時代の勉強でも同様だ。記憶系の勉強は睡眠中に整理、定着されるので夜の学習が良いとされているのに対し、思考系の勉強など創造力を必要とされるものは、脳が冴えている朝に行うのが良いとされている。斬新なアイディアはビジネスにおいて欠かせない。
外資系エグゼクティブは
「朝の時間」を上手に使う
外資系金融マンが口にする言葉に「ブレックファストミーティング」というものがある。
出張で本国から来ている上司と、出社する前に高級ホテルのダイニングで食事をしながらミーティングをするのである。
そのブレックファストミーティング前に、一緒に皇居ランニングをする姿もしばしば見受けられる。走っている間に、ビジネスの話だけでなく、家族、趣味などのパーソナルなことを話しているのだ。サイクリングでは、信号待ちをしている時くらいしか話せないし、ゴルフやテニスも休日の趣味としてはいいが、時間の制約が強い平日の朝には向かない。走りながら会話もできるランニングが就業時間外のビジネスコミュニケーションの場として利用されているのだ。







