日本では、飲みニケーションという言葉があり、お酒の席における会話がこの役割を果たしてきた。しかし、欧米では家族との時間を確保することを重視するビジネスマンが多いため、夜の飲み会という手段は過去の遺物である。

 早朝のランニングは、終わる時間が決まっていて間延びしないし、 パフォーマンスを向上させる効果も期待できる。合理的な外資系ビジネスパーソンが、 飲みニケーションよりランニングを選択するのも納得できる。

  Aさんも、こうした雑談の機会をつくって関係者とのコミュニケーションコストを下げるようにしている。これは、相談やお願い事をしやすい関係性を築くだけではなく、出世や昇進にも影響がなくはないそうだ。「上司の覚えがよい」というのは、その後の彼らのその業界での可能性を広げていくのだ。

 ランニングは特別な道具もいらない、場所も時間も選ばない、自身の身体ひとつで始めることができる。日本人に限ったことでなく、グローバル的にも優秀なビジネスマンはランニングする傾向がみられるという。

「忙しいから運動する時間がない」と言う人は、実のところ「運動しないから忙しい」のかもしれない。朝ランニングから得られるビジネススキルは実践の価値があるのではないだろうか。

【参考文献】

※1 参考論文 出典 関西福祉科学大学
https://www.fuksi-kagk-u.ac.jp/guide/efforts/research/kuratsune/sum/kurashitokenkou.pdf

※2 参考論文 出典 国立大学法人千葉大学
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/107579/S09138137-33-P027.pdf