外資金融は変化が激しく、予測不可能な環境では計画通りにいかないことが常態化している。与えられた制約の中で、新たな道筋をみつけ前進を続けられる人だけが、最終的に信頼を得て高いポジションに到達する。

 ある会社の採用担当者に以前インタビューをしたとき「就職のときに体育会系出身者が好まれるのは、変化に対応して成果を出すことを体得しているから」と語っていた。

 このAさんも某有名大学の体育会系出身であるが、思い通りにならない小さな躓きや失敗を分析し、そこに柔軟に対応し、改善する習慣こそが、ビジネスにおける重要な基礎能力だ。

3. グリット(根気)

 高年収を得ているビジネスパーソンに必要なのは「やりぬく力」。ビジネスにおいて、一瞬で大きな成果が出る魔法のような事業はないので、継続して努力し続ける忍耐力が求められる。

 グリット(GRIT)とは、Guts(度胸)、Resilience(復元力)、Initiative(自発性)、Tenacity(執念)の頭文字をとった造語。心理学者 アンジェラ・リー・ダックワースが提唱した概念で、才能や知能だけでなく、後天的に伸ばせる「非認知能力」として注目されている。

 ランニングは短期間では成果が見えにくく、継続して努力し続ける根気が欠かせない。この「見返りの遅延」を耐える経験こそが根気を作るとAさん。実際に仕事が思い通りに進まずモチベーションが揺らいだときに、ランニングで鍛えたグリットが発揮されるとAさんは感じるそうだ。いくら優秀でも、根気がなければ仕事はできない。頭脳だけでは年収5000万円には届かない…ランニングこそがグリットを身につけるうえで役に立つようだ。

4. ストレスの発散

 実は日々の「疲れ」は身体の疲れではなく、脳の疲れであることが多い。完璧に仕事をこなし、物事を成し遂げる外資系エグゼクティブは、この脳の疲労を抱えている最たる例であろう(※1)。

 この脳の疲れを取る方法としてランニングが有効だとAさんは言う。