【人生100年時代】「ただ普通に過ごした」100歳販売員が“特別”になったワケ
101歳、現役の化粧品販売員として活躍している堀野智子(トモコ)さん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)が「堀野氏の技法は、ヒュミント(人間による情報収集活動)にも応用できる」と絶賛(日刊ゲンダイ・週末オススメ本ミシュラン)する世界一の先輩による“人生訓”は、アナタの疲れた心も元気にしてくれる!
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「普通」が「特別」になったとき
身内や近くに住む方たちとのお付き合いが、ほとんどすべてだった私の生活に、それまでお会いしたことのない方たちが登場してきたのは、99歳になってからのことでした。
私自身はただ毎日を普通に過ごしているうちに、いつの間にかこの年齢になっちゃったという感じなのですが、世間の人はそう思わないのですね。
テレビを見ていると、「人生100年時代」なんてことをよく耳にするようになってきましたが、それでも健康で100歳を迎えるというのは特別なことらしいというのをそのときにはじめて実感しました。
私が100歳を迎えようという年齢でありながら、現役の化粧品販売員(セールスレディ)として日々仕事をしているということが、世の中の人たちが感じる“特別感”に拍車をかけているらしいこともわかってきたのです。
100歳という「大台」の反響
世間の“特別感”が招いたもの
そんなふうにして100歳を迎えるころから、私のもとに新聞や雑誌、テレビなどの取材依頼が舞い込むようになりました。
私は人とお話しすることが大好きですし、誰かのお役に立てるのならばと、可能な限りお受けするようにしました。
そして、いざ100歳を迎えたら、取材依頼の数は前年の比ではありませんでした。
【解説】継続こそが「特別」を生み出す源泉
著者のトモコさんは、「ただ毎日を普通に過ごしている」と語っていますが、私たちは、この言葉の裏にある「継続の凄み」に注目すべきです。
著者が99歳まで(あるいはそれ以上)「現役の販売員」として日々お客様と向き合い続けたこと。それこそが、他の誰も容易に模倣できない圧倒的な「特別感」、すなわち強力なブランド価値を構築したのです。
非凡な成果や独自の強みというものは、多くの場合、平凡なこと、つまり「当たり前」の徹底的な継続と蓄積から生まれます。
「掛け算」による希少性の創出
トモコさんの「特別感」は、「100歳」という年齢だけではありません。そこに「現役の化粧品販売員」という要素が掛け合わさることで、その希少性は爆発的に高まりました。
これは、ビジネス戦略や個人のキャリア形成におけるポジショニングに通じます。自社の強みや個人のスキルを単体で捉えるのではなく、「何」と「何」を掛け合わせれば、市場において「特別」な存在になれるのか。この視点が、独自の価値提案(USP)を生み出す鍵となります。
時代のニーズが価値を「発見」する
「人生100年時代」という社会的な関心の高まりが、著者の存在をさらに際立たせた点も見逃せません。
どれほど優れたスキルや商品、長年の実績があっても、それが時代のニーズと合致して初めて、その価値は社会に「発見」され、大きな反響を呼びます。
トモコさんの経験は、「継続」「掛け算」「時代性」という、キャリアや事業を「特別」なものへと昇華させる普遍的なヒントを、私たちに示唆しています。
※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









