血圧240でも「降圧剤は飲まない」…“驚きの理由”
テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになったことがきっかけで、19歳のとき、4つの銘柄を買ったのが株式投資の始まりだった。バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで激減。しかしあれから70年、89歳になった今、資産は24億円以上に増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。“小説形式”だからスラスラ読めて、プロの儲かる知識がドンドンわかる待望の続編は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)。

【89歳現役トレーダー】血圧240でも薬を飲まないのはなぜ?「頭がボーッとする」を嫌うトレーダーの“危うい自己流”写真:川瀬典子

妻の機転に救われた、突然の脳梗塞

2016年、私は脳梗塞を発症しました。麻雀をして外から帰ってきて、寝て起きたら病院にいたのです。

女房が、大きないびきをかいて寝ていた私を見て、「これはおかしい」と思い、即座に救急車を呼んでくれたそうです。

守られた「トレーダーの命」

その後、退院してひと安心、と思ったら、翌年には心筋梗塞に見舞われました。血流を守るために、いまも心臓の冠動脈に3cmほどのステント(狭くなった血管を内側から広げるための網目状の筒)が入っています。

しかし、これだけの病気を繰り返しても、脳の機能に問題がなかったのは、本当によかったと思います。頭が回らない、手が動かないといった事態になれば、株取引ができませんからね。

ルーペよさらば!手術で取り戻した鮮明な視界

目もだんだん見えなくなってきたのには、悩まされました。チャートも新聞も四季報も、私にとっては文字が小さい。ルーペを片手に売買する時間が増えました。

けれど、2022年、思い切って白内障の手術を行ったところ、すごくよく見えるようになったんです。私は「日帰り手術がいい」と言ったのに「まぁまぁ、一日ゆっくりしていってください」と宿泊になったのですが、本当に受けてよかった手術です。

その後は、ルーペを使わなくても売買できるようになりました。

血圧240、判断力優先の「我が道」

血圧は高いですよ。最高が240mmHg、最低が120mmHgを記録することもあります。

最高血圧が140mmHg以上であれば「高血圧」と分類されますから、高血圧もいいところですよね。自戒の念を込めて、その数値が記録された用紙を机にはっていますが、血圧のためにやっていることといえば、それだけです。

とくに食事に気をつけたり、降圧剤を飲んだりしているわけではありません。そもそも、年をとって血圧が上がるのは自然なこと。無理に降圧剤で血圧を下げようとすると、頭もボーッとして、判断力が求められるデイトレードには向かないように思うんです。

まぁ、こんなことを女房に言っても、「何を言っても聞きやしない」と苦い顔をされるんですがね(笑)。

病院に行く時間がもったいない

そもそも平日はデイトレードで忙しいので、病院に行く時間がもったいないと思っています。たまに病院に行って、高齢者がじっと自分の順番を待っているのを見ると、正直なところ「もっと別のことに時間を使えばいいのに」と思います。

薬を飲んで健康のために生きる生活より、何か1つでも打ち込めるものを見つけて、その打ち込めるものを追求するために時間を使ったほうが、「最後まで自分の人生を全まっとうできた」と言えるのではないでしょうか。私は心底、そう思うんです。