あなたの資産が増えない本当の理由
テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになったことがきっかけで、19歳のとき、4つの銘柄を買ったのが株式投資の始まりだった。バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで激減。しかしあれから70年、89歳になった今、資産は24億円以上に増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。“小説形式”だからスラスラ読めて、プロの儲かる知識がドンドンわかる待望の続編は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)。

お金が増えない人が、無意識に続けている「お金の置き場所」のNG習慣写真:川瀬典子

眠れる日本の個人資産、そのポテンシャル

古くから日本経済を見続けてきた個人投資家としては、日本株はまだまだ成長する余地があると思っています。

政府はいま、個人資産をどうにか投資に振り向けさせようとしています。

2000年からの20年で、米国の個人の金融資産の総計は3倍に伸びましたが、日本は1.4倍にとどまります。

米国は3倍、日本は1.4倍…資産格差を生んだ「お金の置き場所」

この差が生まれた一因が、資産運用にあるとされています。米国では半数以上が株や債券を購入しているのに対し、日本では15%弱程度にすぎません。

日本で半数以上を占めるのは預貯金ですが、米国において預貯金で運用している割合は1割超に留まります。

日本では預金の利息がゼロに近いですから、このような状況で資産が増えるわけがありません。だから政府は、1800兆円にものぼる金融資産をどうにか動かしたいと必死なんですね。

日本株市場に吹く「3つの追い風」

2023年に起こった外国人投資家の円買い、東証のPBR1倍割れの是正、2024年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)は間違いなくいい材料でしょう。

2023年の日経平均株価の上昇は、外国人投資家の円買いが大きな役割を果たしましたが、その傾向はまだしばらく続くと私は見ています。

東証が本腰!「PBR1倍割れ」是正が企業を変える

続いて、PBR1倍割れの是正。PBRは「株価が1株当たりの純資産の何倍か」を示す指標ですが、上場企業のなかにもPBR1倍以下の企業がゴロゴロしています。

PBRが低いということは、企業の収益率が投資家の期待する水準に達していないことを示します。

そこで東証はPBR1倍を継続的に割り込んでいる企業に是正を求めて改革案を示し、同年3月にはプライム市場・スタンダード市場に上場する全銘柄、約3300社に改善を要請しました。

PBRを向上させる施策として自社株買いや増配を行ったり、事業そのものを見直したりすることで、企業の収益率が向上することが期待できます。