「潜在能力×if‐thenプランニング」で自らを自動操縦する
さらに、普段でも目標につながる日々の行動を確実に行うためのモチベーションを自動的に生みだす方法があります。
まずは実行すべき日々の行動を具体的にしておく必要があります。この具体化した行動を着実に実行することが達成につながるからです。
この方法は、私自身も非常に強力な武器として使っていて、目標を立ててそれに向かうときには必ず取り入れます。
心理学的にも効果が証明されているこの方法は、「if‐thenプランニング」と呼ばれています。
「if‐then」とは、「もし〇〇ならば、××をする」というように、ある条件になったら、必ずある行動をすると仮定して計画を立てるといったことです。
目標に向かっているなかで往々にして起こるのは、やるべき行動の機会を逃してしまうことです。
それは、仕事に追われたり、メールに気を取られていたり、といった他のことを考えているために起こることが多いようです。
こういった状況に陥らないようにし、確実に行動の機会をとらえるための方法が、この「if‐thenプランニング」なのです。
何百という研究結果から、事前に「いつ」「何を」やるかを、はっきり決めておくだけで、やるべきことを忘れたり、先に延ばしたりせずにすむ確率は2倍から3倍も高くなることがわかっています。
この方法はとても簡単で、基本は次のようになります。
「(if)もし〜という条件なら、(then)そのときは〜という行動をとる」というふうに、具体的な行動をあらかじめ決めておくだけです。
いくつか例を挙げます。
(if)寝る30分前になったら、
(then)英単語を20個覚える。
(if)金曜日に仕事が終わったら、
(then)ジムに行き1時間トレーニングする。
(if)アイデアがひらめいたら、
(then)メモをとる。
という感じです。
このように条件を加えると効果が表れるのには、脳の性質が関わっています。「AならばB」という情報は脳に強く訴えかけるのです。それにより強く記憶することになり、潜在意識の力も借りて無意識に条件に従って行動できるようになってくるのです。
「やらないこと」を決めるのは、かえって逆効果
ただし、プランニングを設定するときに注意すべきことが1つあります。
それは行動を決めるときに、「〜しないようにする」や「〜をやめる」などのような否定の行動として設定しないことです。
脳はある思考をしないようにすると、かえって頭の中がその思考でいっぱいになってしまうからです。
禁煙をしたいときなどは、
(if)3時の休憩時間のときは、
(then)タバコを我慢する。
というような設定をすると、かえってタバコが頭から離れなくなり、逆効果なのです。
こういう場合は、
(if)3時の休憩時間のときは、
(then)アメをなめる(またはガムをかむ)。
というように、やめたいことを考えるのではなくやりたいこと、やるべきことといった建設的な方向性をもった行動に設定するべきなのです。
この「if‐thenプランニング」は、今の私にはなくてはならないものとなっています。
皆さんにとっても間違いなくモチベーションを継続させるための強力な武器になることでしょう。








