
勉強や仕事の際に、「ひとつずつ理解してから進む」という人は多いが、実はそのやり方は間違いだ。「学習力」を効率的に高めるためには、脳のメカニズムを理解したうえで正しい学習法を身につけることが重要。本稿では、日本記憶力選手権大会で6回優勝した経験を持つ、池田義博氏の動画「50歳でも記憶力はアップ! 加齢に勝てる脳トレ法」から、学習の土台を築く「3サイクル速習法」の核心部分を特別に公開する。
復習は忘却を防ぐ唯一の方法
学習を進めるうえでまず理解しておくべきなのは、記憶の性質そのものです。どんなに能力の高い人でも、一度で100%定着させることはできません。必ず時間の経過とともに忘却が進みます。
忘却は最初に急激に進み、その後は緩やかに低下していきます。これを防ぐ唯一の方法は復習です。適切な間隔で復習すれば、忘却のカーブは次第に緩やかになり、やがて長期記憶へとつながります。

大切なのは、「忘れかけた頃」に復習することです。早すぎれば効果は薄く、間隔を空けすぎれば学び直しが必要になります。
記憶は壁のペンキ塗りに例えるとわかりやすいでしょう。一度ではムラができて完璧に仕上がりませんが、重ね塗りすることで厚みと強度が増し、長持ちするようになります。