「やる気が続かない」「目標を立てても三日坊主で終わる」。そんな悩みを抱えている人にこそ試してほしいのが、脳の仕組みを利用したモチベーション維持法です。無意識の行動を司る『潜在意識』と、行動を自動化する心理技法『if‐thenプランニング』を組み合わせることで、脳は自ら目標達成に向けて動き出します。話題の動画「50歳でも記憶力はアップ!加齢に勝てる脳トレ法」を公開した池田義博氏は、日本記憶力選手権大会で6回優勝。試験・資格・英語・ビジネスなど、あらゆる場面で結果を出すためのメソッドを紹介します。
※本稿は、著書「世界記憶力グランドマスターが教える脳にまかせる勉強法の一部を抜粋しました。

「潜在意識」をハックしてモチベーションをキープ

 モチベーションをキープし続けるために、脳に目標達成の意識を強く植えつける方法があります。

 皆さんの普段の行動は、無意識に行われていることがほとんどです。

 何かを決定、決断しようとしたときに生じる意志は消耗しやすいため、脳がエネルギーを節約するために自動化しているからです。

 そんなとき働いているのが、「潜在意識」です。この潜在意識の力はとても強く、普段表にでている意識よりもはるかにたくさんのものを処理できます。

 この潜在意識に目標を刷り込むことができれば、普段の無意識の行動や思考も自然と目標に向かって近づいていくことになります。この潜在意識の力を大いに利用することにしましょう。

 それには、「私はこうなりたい」「これを実現したい」などと、潜在意識の入り口である脳にわからせることが大切です。

脳はイメージとの親和性が高いPhoto:PIXTA

 今、私が皆さんに向かって、「頭の中にリンゴを思い浮かべてください」と言ったとします。

 さて、皆さんの頭の中には何が浮かびましたか?

 「リンゴ」という文字が浮かんだ人はいないはずです。写真やイラストのような映像が浮かんだのではないでしょうか。このように脳はイメージとの親和性が高いのです。

 脳は言葉の情報よりもイメージの情報をより強くインプットします。たくさんのものを覚えることができる記憶術も、この性質を利用しています。

達成したい目標を紙に書いて「イメージ」する

 もう1つ、脳の面白い性質があります。

 それは、「脳は実際見たものと頭の中でイメージとして見たものを区別できない」ということです。つまり、実際に目で見た映像も頭の中で浮かべたイメージも脳は同じ種類の情報としてとらえるということです。

 これらの脳の特性をうまく利用して、自分が達成したい目標を潜在意識に落とし込むのです。

 自分が実現したい目標を、まずは紙に書いてみましょう

 そして、日頃よく目にする場所に貼るか、または使っている手帳の中の目につきやすいところに書いておくのもいいかもしれません。

 そしてそれを目にしたときには、必ず頭の中にそのイメージを浮かべるようにするのです。そのイメージとは、「目標を達成している自分の姿」です。

 そうして何度も繰り返していくうちに、実際にはまだ実現していないのにもかかわらず、脳にとっては「未来の記憶」となり、それに向かって自動操縦されるのです。

「潜在意識」をハックすれば目標は勝手に叶う⁉ 記憶力日本一が教える「if‐thenプランニング」の力