シャワー中や移動中にアイデアが浮かぶのは偶然ではありません。脳がひとつの行動だけに集中しているとき、潜在意識が働き、思考が広がりやすくなるのです。集中力を高めたいなら、マルチタスクをやめ、あえて「一度にひとつしかできない環境」に身を置くことが効果的です。話題の動画「50歳でも記憶力はアップ!加齢に勝てる脳トレ法」を公開した池田義博氏は、日本記憶力選手権大会で6回優勝。試験・資格・英語・ビジネスなど、あらゆる場面で結果を出すためのメソッドを紹介します。
※本稿は、著書「世界記憶力グランドマスターが教える脳にまかせる勉強法」の一部を抜粋しました。
ひらめきは「1つの動作」に集中しているときに生まれる
皆さんはどんな状況でいいアイデアが閃きますか?
私は「①シャワーを浴びているとき」「②ジョギングをしているとき」「③車の運転中」と不動の順番があります。
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なぜ、このシチュエーションがいいのか、自分なりに分析したことがあります。
3つに共通するのは、その状況でやらなければならない行動が、「体を洗う」「走る」「運転する」というように、1つに限定されていることです。
すべて何度も繰り返してきて体に染み付いたものばかりです。
その行動は潜在意識により自動操縦されているため、脳が力を持て余していて、普段より思考が広がるからと考えています。
あえて「居続けなければならない場所」に身を置く
また、仕事や学校の課題で資料を作ったり、報告書を書いたり、原稿を書いたりするときに、仕事場以外で仕事がはかどるのはどんな場所でしょうか。
私は、電車や飛行機での移動中です。ほかには、カフェやコーヒーショップといったお店です。
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ここにも、共通する条件があります。それが、「強制的にその場に居続けなければならない状況」ということです。
乗り物で移動するにしても、カフェで待機するにしても、そこに居続ける必要があります。
これらの例が、集中力を高めるベストな環境を教えてくれます。
マルチタスクをやめることが集中力を高めるカギ
最高の集中力を発揮するためには、マルチタスクをやめて、一度に1つのタスクを処理するというのが理想だといえます。そのためには自分からいろいろなタスクが同時にできない環境へ追い込むことが必要です。
さらに理想を言えば、そのタスクごとにカスタマイズされた場所に移動して作業をすることですが、現実的にはそれはなかなか難しいので、工夫するとすれば、資料などの整理整頓をしっかりしておくことです。
情報がいつでもすぐにとりだせる環境をつくっておけば、必要なときになかなか目的のものが見つからないというわずらわしさから解放され、タスクに集中することができます。








