しかし、あくまで個人視点ではなく会社視点なので、そのすごさが「自分にとってどんなメリットになるのか」「そこで働くことによって何がプラスになるのか」が具体的に見えてきません。
その結果、動機づけを高めることができず、最終的に「100%納得するまでには至らない」「どこか腑に落ちない部分がある」という結論に至り、そもそも応募しなかったり、選考を離脱したりすることになるのです。
求められているのは
残業時間など勤務実態の開示
また、求職者からは「1日の流れを知りたい」という要望がよく寄せられます。
理由は、「その会社の社員はどんな働き方をしているのか」「社員同士がどんな距離感なのか」「日々の仕事の中身(とくに入社1年目)はどんなものなのか」を知り、「その会社で働くイメージの概観」をつかみたいからです。
営業、販売、経理、総務、企画など、配属された部署の業務内容や、始業時刻・休憩時間・終業時刻などの大まかなタイムスケジュールは、資料を見ればわかります。
しかし、次のような要素は、実際にその会社で働いている人でないとわかりません。
・どれくらい業務が忙しいのか(とりたいタイミングで休憩はとれるか、残業の頻度や平均時間はどれくらいなのかなど)
・いつ、どんな場所で働いているのか
・就業時間中に社員同士で関わり合いはあるのか(どんな会話をしているのか)
・ランチや休憩時間はどのように過ごしているのか
・入社後1年目、2年目、3年目~と、業務内容はどのように変わっていくのか
・終業後に社員同士でコミュニケーションを図ることはあるのか(飲み会、食事会など)
求職者、とくに新卒の就活生は、主にこういったことを知りたがっています。これがわかれば、朝に家を出て出社し、仕事を終えて帰宅するまでの「1日の流れ」が、かなり具体的にイメージできるからです。
会社視点で情報発信をしている限り、求職者は「本当に知りたい情報」を入手することができません。
企業側も、いつまでたってもこのワナから抜けだせないでしょう。
求められているのは、「雰囲気紹介」ではなく、「価値観の現れとしての行動の紹介」であり、社員の個人視点のスタイル寄りの情報なのです。







