意外と知らない「炎上」の正体とは?
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「炎上」と「ネガティブなコメント」は違います
今日は「炎上しない方法」についてお話ししようと思います。まず、炎上の話をするとき、多くの方が勘違いしているかもしれない点があります。それは、「炎上」と「ネガティブなコメント」は別物だということです。
何を言っても、「この人嫌いだ」「この人本当に医者なの?」といったネガティブなコメントは、残念ながら一定数、必ず発生します。これは避けられません。
ですから、こうした単発のネガティブなコメントは気にする必要はなく、不愉快であればブロックやミュートをすれば良いと私は思います。
一方で「炎上」とは、そういったネガティブな反応が「多くの人に広がり、ある程度の数の人が同調している状態」を指します。これが私が考える「炎上」の定義です。
炎上する「理由」
多くの人が同調するということは、そこには基本的に炎上する「理由」が存在します。多くの場合、炎上した本人が何らかの「理由」を作ってしまい、その理由に関わった人たちがネガティブな反応を示しているのです。
ですから、炎上を避けるためには、「➊理由を作らないようにする」こと。もし理由を作ってしまったら、「❷きちんとフォローする」――この2点に尽きると思います。
分かりやすい「理由」としては、「犯罪行為」や「反モラル的な行為」が挙げられます。これらを発信すれば、炎上します。これは有名・無名に関わらず起きますし、発信者が有名な場合は、より大きな騒ぎになりますから、やってはいけません。
最も多い炎上パターン
「期待」と「現実」のズレ
そして、私が考える「最も多い炎上パターン」があります。それは、「本人に期待されていること(ブランドイメージ)」と「実際の発信や行動」がズレた時です。
これは特に、ある程度名前が知られてきた人やインフルエンサーに当てはまります。発信を続けていると、本人が意識しているかどうかにかかわらず、周囲は「この人はこういう人だ」というイメージや期待を持つようになります。
最初のうちは「楽しいから」やっているだけでも、人目につくようになると、それがだんだんと「ブランディング」されていきます。その結果、多くの人が抱いているイメージ(期待)を裏切った時に、炎上が発生するのです。
炎上を防ぐために必要な「客観的な視点」
ですから、もし「炎上したくない」と思うのであれば、それはもう「仕事」の一部なのだと認識する必要があります。
私はよく「自分軸で生きる」という話をしますが、この話はそれと矛盾しません。炎上を覚悟(上等)で発信するのも自分軸ですが、「自分のビジネスや立場を守るために、炎上はしたくない」と納得して行動するのも、また自分軸の選択です。
もし炎上したくないのであれば、「自分が他人からどう見られているか」「何を期待されているか」を客観的に観察し、理解しておくという視点が、最低限必要になるということです。
これは普段の生き方でも応用できるかもしれません。何か人間関係で困った事態になっている時、もちろん相手が悪いことも多いですが、時には「自分は第三者からどう見られている(期待されている)か」を認識してみることで、予防できるトラブルもあるかもしれないと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








