国語の授業で、先生の質問に手を挙げて答える。手振りだけでコミュニケーションをとっていた保育園の時から知っているだけに、この成長には感銘を受けた。この小学校では外国から来た子どもや帰国子女を対象にした国際教室という個別クラスが設けられていて、アリサも週に6時間、日本語や算数の授業を受けている。
「アリサちゃんは元気いっぱいで腕白な女の子です。出会った時から積極的にコミュニケーションを取ろうとしていました。今では日本語で自分の意見を伝えられるようになりましたよ」
国際教室を受け持つ遠藤先生もアリサの成長を喜んでいた。休み時間に同じクラスの女の子たちと教室の隅ではしゃぐアリサはすっかりクラスに馴染んでいるようだ。
ユリアとアリサの取材をきっかけにアリサと娘が再会して一緒に遊ぶようになった。2025年、日本は終戦から80年を迎え、戦争の証言者が身近にいなくなりつつある。戦争の怖さを身をもって知るユリアやアリサとの交流は、娘が戦争を、そして世界を知る良い機会になるだろう。
願わくは、娘が成人した際、私の仕事に理解を示す子に育ってほしい。そしてあわよくば、娘の将来の為の貯金の一部を戦争報道の取材費に充てることを許してくれることを願いたい。
『戦場で笑う――砲声響くウクライナで兵士は寿司をほおばり、老婆たちは談笑する』(横田 徹、朝日新聞出版)







