ジョージア部隊はウクライナ軍情報部に属しており前線でのドローンを使った偵察、狙撃、破壊という特殊任務を担っている。前線部隊に配属されるには高度な訓練を受ける必要がある。豊富な戦闘経験と訓練に力を入れていることが他の部隊に比べてジョージア部隊に死傷者が少ない理由だ。マムカ司令官はハルさんのこれまでの経験や人間性を見抜いており、訓練を受けた後は
狙撃兵として活躍してもらいたいと考えている。
日本人義勇兵のハルさん(著者撮影)
顔認識機能も困惑する
念願の撮影会
インタビューも終わりに近づき、私はなかなか言い出せずにいたことを勇気を振り絞って切り出した。
「あのですね……、もし可能でしたら……、服を脱いだ姿を撮影させていただきたいのですが……、極寒の中、申し訳ないです」
しどろもどろになる。
『戦場で笑う――砲声響くウクライナで兵士は寿司をほおばり、老婆たちは談笑する』(横田 徹、朝日新聞出版)
「え!?ここで?はい……。いいですよ」
かつて“脱がせ屋”などという下世話な言葉があったが、自分が撮影で元ヤクザの義勇兵を脱がせることになるとは思わなかった。
肌着を脱ぐと胸で割れた鮮やかな和彫が現れた。背中には弁天様と龍が睨みを利かせている。
カメラの顔認識オートフォーカスが弁天様に合っているのに微かな感動を覚えつつも無我夢中でシャッターを押す。そういえば前回の取材では私はこのジョージア部隊の基地で手裏剣を投げていたのだった。
“人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまで中身はわからない”
フォレスト・ガンプのセリフを思い出した。







