北海道紋別の公設事務所での仕事の「やりがい」は何だったかと申しますと、とにかく必要とされていることです。もう日々、何度も実感できることですね。
「先生がいなかったら相談できなかった」「解決できなかった」と、ダイレクトに言ってもらえます。
私が相談を受けたことで、相手に言われるままにならずに済んだ方もいますので、結果としても感じられます。
例えば交通事故であれば、相手の言いなりになってそのまま示談せずに、きちんと言いたいことを相手に言える。
交通事故以外にも、すべての事件、貸金にしても、相続にしても、何にしてもそうですが、相手の言いなりにならずにきちんとした法的アドバイスを受けて言うべきことをしっかり言える。
相手方からの要求に対し、法的な観点から適切に反論する機会を相談者の方々に提供できることは、都市部での業務とはまた異なる大きなやりがいを感じました。
小規模だからこその
やりがいが存在していた
それと、地域・自治体でも重宝してくれました。
いろいろな行政機関での講演、婦人会など、すごい数。おそらく2年間で100回くらいは、有料、無料の様々な講演をしました。そこから新しいつながりが生まれ、「弁護士さんにこういうことも頼めるんだ」ということを発見してくれるんです。
そんなとき、「弁護士が法律や規範をその地域や人々に生んでいるんだ」と実感しました。
おそらく、「ムラ」社会での理論があって、法や人権の視点が行き届かない結果、その社会である意味得をしてきた人がいたかもしれません。しかし、やはり司法、特に女性のDVの問題であるとか、外国から農家に来た妻たちの人権の問題を放置することはできませんので、こうした問題に弁護士として関わってきました。
また、町内の病院で医療過誤が起こるといった問題もありました。それは、誘致に伴って、患者の様々な症状に対応するのが困難な医師が来たことが原因でした。
公立の病院ということや、その事件の解決について新聞報道があったことなどもあり、誘致のあり方を住民が話し合うきっかけになったようです。







