もし映画が1年遅れていたら…
世界恐慌でディズニーランドもなかった?

 1929年9月ごろからニューヨーク証券取引所で株価が下がり始め、10月24日の株価大暴落「ブラック・サーズデー(暗黒の木曜日)」をきっかけに世界恐慌に突入します。ということは、『蒸気船ウィリー』の公開がもし1年遅ければ、ミッキーはこれほど大ヒットしていなかった、つまりディズニーランドもこの世に存在しなかったかもしれません……!

 アメリカの1920年代は「狂騒(または狂乱)の20年代」と呼ばれるほどの好景気でした。フォードが自動車を普及させガソリンスタンドが根付きます。洗濯機や掃除機、ミシンなどが中流家庭で一般化し、大量生産・大量消費社会が到来します。そんな好景気に沸いていた1928年にミッキーが誕生したことは、まさに奇跡だったと言えるでしょう。

東京ディズニーリゾートで
ミッキー関連の最新ニュースは?

 話を現代に戻して、日本におけるミッキー関連の動きを3つ、ピックアップします。

『ジャンボリミッキー!』大ヒット
 2019年に東京ディズニーリゾートで始まったキッズ向けのプログラム『ジャンボリミッキー!』が大人気となり、親子連れはもちろん幅広い世代に愛されました。「ミッキーマウス・マーチ」をアレンジしたダンスで、SNSで動画が拡散したほか、運動会の演目で取り上げられることも。

 顧客参加型エンターテインメントの代表格となりましたが、25年6月に終了しました。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)は終了理由について「新エンターテイメント『ドックサイド・スプラッシュ・リミックス』開始のため」と説明しています。

『ビッグバンドビート』19年の歴史に幕
 2006年に東京ディズニーシーで始まったショー『ビッグバンドビート』も、25年9月に終了しました。OLCは終了理由について、「『ディズニーランドは永遠に完成しない』というディズニー・フィロソフィ(ウォルト・ディズニーの経営哲学)に基づき、施設の導入や改廃を通じてパークの魅力向上を図る一環」と説明しています。

ミッキー型ワッフルが大人気
 東京ディズニーランドの「グレートアメリカン・ワッフルカンパニー」限定で販売されているミッキー型ワッフルは、SNSで「映えるフード」として大人気です。注文はディズニー公式アプリの「モバイルオーダー」限定。行列に並ばずに済むメリットはあるものの、アプリ操作に不慣れな人は買えない、まさに限定商品です。

 なお、アメリカのディズニーランド「カーネーション・カフェ」でもミッキーワッフルが売っています。ちょっと面白い逸話があって、ミッキーの関連商品で食品が出始めた当初、ウォルトの兄ロイの妻は「ミッキーが使えるはずないでしょう、どこの誰がネズミを食べたがるのよ」と言い放ったそうです。