グアムの州昇格を支持する元海兵隊員のビンセント・サンティアゴさんPHOTO: MIKE CHERNEY FOR WSJ
【タモン(グアム)】ビンセント・サンティアゴさんは、米海兵隊員として過ごしたおよそ31年の間にイラクとアフガニスタンで戦い、訓練指導者を務め、同盟国との協力を促進する連邦機関で働いた。
しかし、米国市民であるにもかかわらず大統領選で投票することはできない。米国政府にどう統治されるかにほとんど発言権のない米国の準州グアムに住んでいるからだ。サンティアゴさんはグアムが米国の51番目の州になることを望んでいる。
「私が米国憲法を支持し守るために戦っているのに、開戦を立法府に勧告できる人間に投票することが許されないのであれば、フェアではないと思う」。グアムの先住民チャモロ人のサンティアゴさんはそう話した。
米国と中国のせめぎ合いが激化する中、米国防総省はグアムを太平洋における安全保障戦略の拠点として強化しており、基地の増強、兵士の増員、中国の攻撃に備えた数十億ドルのミサイル防衛システムの構築を進めている。
この機運に乗じてグアムの地位を変更するための運動が盛り上がっている。その余波は、紛争に発展しかねない地域における米国の軍事戦略や外交的立場に及ぶかもしれない。
グアムの立法院議員で、グアムが米国の州になることを支持するウィル・パーキンソン氏は、グアムの未来のための選択肢について広く情報を提供する一連のタウンホールミーティングを企画した。グアムは1898年の米西戦争の際に米国がスペインから獲得した。
「グアムへのいかなる攻撃も間違いなく米国自体への攻撃になるように、私たちは米国という家族の中で自分たちの居場所を固めなければならない」。パーキンソン氏は数十人が参加した最近のタウンホールミーティングでそう話した。米国の州になれば、「(グアムへの)米国の関与について、いかなる敵の意識の中にあるどんな疑念も取り除かれるだろう」とパーキンソン氏は話した。







