どんな指数に連動するインデックス型投資信託か確認を!
同じ指数に連動するならよりコストが安いものを選ぼう

 前述のとおり、全世界株型や米国株型の投資信託を積立で買い、満足しているならそれだけでもOKだ。ただし、ずっとほったらかしのままでいいのか悪いのかもよくわからない人は、投資している商品を見直してみよう。

 そもそも全世界株型、米国株型とひと口にいっても“どの指数に連動するか”でパフォーマンスは変わってくる。たとえば、全世界株の代表的な指数は「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」。世界の株式の約85%をカバーしているのが特徴だ。この指数に連動する投資信託には「日本を含む」タイプと「除く日本」のタイプがあるが、すでに日本株に投資している人は「除く日本」を選ぶのがおすすめだ。

 米国株の指数は「S&P500」が代表格。そのほかに有名な指数としては「NYダウ」もあるが、S&P500のほうがハイテク株の比率が高く、長期の上昇率ではNYダウを上回っている。

 なお、人気の投資信託として有名な「eMAXIS Slim全世界株式(通称:オルカン)」は全世界株型。オルカンを含め、全世界株型の投資信託は投資先の約7割が米国株で占められている。そのため、分散のつもりで全世界株型とS&P500連動型などを組み合わせて持つと、米国株への偏りが大きくなってしまう。どちらか1本を持てば十分だ。

 もし、全世界株型や米国株型のほかにもう1本投資信託をプラスしたいなら、「日本株型」のインデックス型投資信託を検討しよう。海外に投資する投資信託の成績は為替の影響を受けるため、円安はプラスに、円高はマイナスに働く。その点、日本株型は為替の影響を受けにくく、日本株が上昇すれば投資信託の成績も連動してプラスになる。日本株の指数は「TOPIX」と「日経平均」が代表的。好みで選んでいいが、日経平均のほうが値動きが大きいという特徴がある。

 インデックス型は投資対象、つまり連動する指数が同じなら運用内容はほぼ同じとなり、違いが出るのは主にコスト(信託報酬)。したがって、信託報酬の安い商品を選べばいい。ただし、超低コストの投資信託には、特定の販売会社でしか買えないものもあるので注意しよう。

 上の表で紹介しているのは、3社以上の販売会社で取り扱いのある全世界株型、米国株型、日本株型のインデックス型投資信託のうち、信託報酬がもっとも安いものだ。全世界株型にはオルカンが入っている。

 米国株型では「ステート・ストリート S&P500インデックス・オープン」、日本株型では「ステート・ストリート TOPIXインデックス・オープン」が低コスト。どちらも2024年1月に設定された新しい投資信託で、主要なネット証券で購入可能だ。このように、自分が保有しているのと似た投資信託で、より信託報酬が安い商品が新たに設定されることもよくあるので、アンテナは張っておこう。

ダイヤモンド・ザイ NISA投信グランプリとは
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。

<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧

日本株総合部門
日本中小型株部門
米国株部門
世界株部門
新興国株部門
リート部門
フレッシャー賞
もっとがんばりま賞
(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017

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