「初任給が30万の会社って怪しくないですか?」
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、新卒の初任給について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。
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初任給30万円は平均と比べると非常に高い
「初任給が30万円以上の企業って、ぶっちゃけ怪しいですよね?」先日、就活生からこんな質問をもらいました。
東京労働局の調査*によると、令和5年の初任給の平均は212,500円。産業別に見ても、最も高い金融業・保険業で230,000円。
つまり初任給30万円は平均からすると、たしかに高額です。たとえば、ユニクロは初任給を33万円として話題になりました。「初任給」は求人で目立つので、初任給の高さを売りにする企業は増えているんですよね。
初任給とセットで平均年収を見る必要がある
初任給が30万円の企業が怪しいのかどうか。結論から言うと、企業によります。
初任給が高いと、それだけで年収が高い会社だと判断してしまいがちですが、要注意です。平均年収と比較して初任給が高い企業は人手不足などの問題を抱えている可能性があります。
また、そうした企業は、昇給が少なかったり、ボーナスが少なかったりして、30代、40代の年収でみると、むしろ初任給20万円の企業よりも低い...というケースも存在します。
新卒で入った会社は、人によっては数十年働くこともあるので、30歳になった時にいくら稼げるのかなど、長期的な視点を持ち合わせるのがおすすめです。
このように初任給を見るときは、必ず初任給だけで見るのではなく、平均年収とセットで見ることが大切です。
企業選びの軸を事前に設定しておくことが重要
僕が就活生のときのことを振り返ると、初任給にすごい目がいってました。「初任給20万円」と「初任給25万円」の求人があると、25万円の企業が数倍魅力的に見えてました。
そのぐらい僕は給料に固執していたんですよね。
ですが、一方で「毎日カフェに行きたい」「映画館に通いたい」といったプライベートの時間にも重きを置いていたので、給料だけでなく、次の条件を設けていました。
・年間休日数が120日以上
・残業時間が月25時間以下
どれだけお金があっても、時間の余裕にまさるものはないと考えていたのですよね。
このように事前に企業選びの軸を設けていたことで、初任給だけに左右されず、総合的に自分に合う企業にエントリーすることができました。
仮に企業選びの軸を設けず、「なんとなく給料が高い企業が良いだろう」とだけ考えていたら、きっと初任給が高い企業に入社して、入社後に「休みが少なすぎる!」「残業が多すぎる!」と文句を言っていたでしょう。
自分に合う企業を選ぶことから幸せは始まる
就活や転職で最も大切なことは、いかに「自分に合う企業に入社するか」です。そのためには自己理解を深め、企業選びの軸を設けることが大切です。
拙書『脇役さんの就活攻略書』では、いかに自分なりの企業選びの軸を設けるか、ワークを通して説明しました。また業界選択や、営業利益率(儲かる会社かどうか)の重要性まで踏み込んで解説しているので、本質的に自分に合った企業選びができるようになります。
ぜひ「初任給に左右されがちだ...」と少しでも思った方は、手にとっていただき、自分なりの企業選びの軸を設定してください。
*「学卒者の初任賃金(令和5年3月新規学卒者の求人初任給賃金調査)」(厚生労働省東京労働局)https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/jirei_toukei/_121239/_123591_00007.html








