新刊『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』は、東大・京大・早慶・旧帝大・GMARCHへ推薦入試で進学した学生の志望理由書1万件以上を分析し、合格者に共通する“子どもを伸ばす10の力”を明らかにした一冊です。「偏差値や受験難易度だけで語られがちだった子育てに新しい視点を取り入れてほしい」こう語る著者は、推薦入試専門塾リザプロ代表の孫辰洋氏で、推薦入試に特化した教育メディア「未来図」の運営も行っています。今回の記事では、「本当に頭のいい子」の育てかたと子どもの幸せに本当に必要なことについて、孫氏と『1%の努力』著者のひろゆき氏の特別対談をお送りします。(構成/ダイヤモンド社・森遥香)

偏差値 学歴ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

「本当に頭のいい子」を育てる2つのアプローチ

孫辰洋氏(以下、孫氏): 中高生の親御さんとお話しするなかで、他の人よりも結果を出す様な「頭のいい子」に育てたいという親御さんが多いです。どうやったらそうした子どもが育つと思いますか?

ひろゆき氏: 2つのアプローチがあります。合理性を求めるノウハウを一生懸命叩き込むパターンと、「ゴールはここですよ」と言って、手段を自分で考えさせてやるパターンですね。自分で何かを作り出す系の人の方が、大成功してる確率は高いんじゃないかなと思います。

親が“見守れるか”が決定的な差になる

孫氏: 後者に関して、ゴール設定のアプローチで、親が意識することは何かありますか? 親はついつい口出ししたくなっちゃうと思うんですけど。

ひろゆき氏: 我慢しないとと感じるんだったら見なきゃいいんじゃないですかね。

孫氏: なるほど。

ひろゆき氏: 「こうすればいいのに」とか、おぼつかない時、ノウハウを教えたくなりがちなんですよ。でも、それを自分で見つけた子の方が見つける力が磨かれる。なので、横で見てたら絶対口出ししたくなっちゃうんで、もう見ないっていう方がむしろ楽なんじゃないかな。

ひろゆき氏: あと、100点を取らせることが目的なんじゃなくて、100点にしたいよねと思わせることの方が大事だと思います。モチベーションを作るために、例えば「100点取ったらゲームやっていいよ」とか、「このお菓子一週間分にしてあげるよ」とか、釣るでもいいんですよ。

名門校で落ちこぼれる「深海魚(しんかいぎょ)」問題

孫氏: なるほど。今、僕らの界隈で「深海魚(しんかいぎょ)」という単語が流行ってて。中学受験で親の伴走しまくりで偏差値75とか叩き出すけど、入学した瞬間に沈没していく現象なんです。親は中学受験で成果を出したいし、中学校に入れた後、学力で落ちていくのも嫌だと。これに対してどう回答されますか?

ひろゆき氏: もう(大学受験まで)伴走し続ければいいんじゃないですか。要は、親ってある種の無料の家庭教師なわけじゃないですか。大学卒業まで伴走する覚悟があれば、それは可能だと思います。

孫氏: 僕の場合も、大学卒業まで伴走する覚悟は持った方がいいかもしれないと、今ひろゆきさんのお話を聞いて思いました。ただ、弊害は多分、就職後とか結婚とか人間関係のところに出そうだなとは勝手に思ってるんですけど。

ひろゆき氏: そうですね。親が手伝えなくなった時に、トラブルになりますよね。お子さんがGoogleに入りましたって言って、親が「いや、プログラマーわからんよ」って言ったらもう全然助けられないじゃないですか。

ひろゆき氏: どのタイミングでその伴走をちょっと緩やかに離れていくのかというと、思春期じゃないですかね。反抗期と呼ばれる中学生ぐらいの時期に、親を自分でしたんだ、それでも自分は生きていけるんだという成功体験だったりとか、男の子の場合は自分が父親を超えるという経験が必要であったり。そこをちゃんと体験させるかどうかっていう。