米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は最近、政府機関の一部閉鎖に伴い経済指標が発表されない状態を、霧の中で車を運転することになぞらえた。労働省が20日に遅れて発表した9月分の雇用統計により、この霧は薄れた。米経済は減速の兆しを見せてはいるものの、崖に向かって猛スピードで突き進んでいるわけではない。9月の非農業部門就業者数は前月比11万9000人増と4月以来の大幅な伸びを示し、夏の減速後の歓迎すべき増加となった。今回の統計で下方修正が行われたことにより、5月から8月にかけての就業者数の増加幅は5万5000人にとどまった。9月の失業率は4.4%に上昇したが、その一因は労働力人口が47万人増加したことにある。