社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を紹介します。
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目標を持たないほうがいいタイプ‥‥‥「積上型」もいる
本書では、目標を持った方がいいか目標がなくてもいいタイプかという軸で「逆算型」か「積上型」かがわかる簡易的なテストを掲載しています。
逆算型は、たとえば5年後の姿を先に決め、3年後・1年後・今月・今週……とブレイクダウンして、いま何をやるべきかを決めるタイプです。目標からの逆算がエネルギー源になります。
一方の、積上型は、今日の一歩を積み重ねて未来にたどり着きます。「明日積むものだって変わるのに、5年後なんて決められない」という感覚を持ちます。
私自身は、完全に積上型です。
逆算がまったくできないわけではありませんが、短期集中でやる学習などを除けば、基本的にはフィットしません。
試験のように日付が決まっているものは逆算型で計算することもできますが、日常の大半は「いま」の積み重ねで前に進んでいくという感覚を持っています。
「器用貧乏」には要注意
重要なのは、どちらが優れているかではないことです。これはただの「傾向」です。しかも「スキル」として切り分けることも可能です。
器用な方は、ふだん積上型でも学習では逆算を使いますし、逆にふだん逆算型でも、先が見えないプロジェクトでは状況を観察しながら積み上げていくことを選ぶこともできます。
ただ、器用さには“器用貧乏”の落とし穴があります。やろうと思えばできるぶん、本来の自分のタイプはどちらなのか、今の自分がしたいことは何なのかを見落としがちなのです。
では、「目標」が持てないと感じる積上型の人は何を大切にすればいいか。
積上型の人にとって、未来は「今日の総和」です。
楽しい今を積み上げていくと、楽しい未来へつながっていきます。
妥協の今を積み上げていくと、妥協の未来へつながっていきます。
鍵は、才能(強み)が生きる活動を「今」に置くことです。
夢中になれて、人から感謝され、得意だからこそ楽しい。そう感じる今を積み上げていくほど、充実は増えていきます。
目標を持つこと自体が目的化して苦しくなっているなら、いったん手放してみましょう。
「やりたいこと」を無理に見つける必要はありません。自分に合う進み方を選び直す――それでいいのです。
*本記事は、『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)著者のしずかみちこさんが、YouTubeチャンネル「サードプレイスラボちゃんねる」に出演し、代表の安斎輝夫氏の質問に答えた内容を抜粋・編集したものです。




