松江の中学生・小谷春夫がトキに急接近

 ヘブンの忘れ物のノートを届けに来た小谷。もしかして、トキに会いたかったから忘れ物を届ける役割を引き受けたのだろうか。ひとしきりトキと話をして、ヘブンにノートを手渡し、その日はおとなしく帰るが、翌日(?)、トキの家の前をうろつく。あやしい。

 そこへ通りかかったサワ(円井わん)にトキの情報を聞く。「かいだん(怪談)」好きとサワは教え「登るほうじゃなくて降りるほうの うそうそ」とからかうサワ。真面目な中学生をからかってはいけません。

「どこにほれたのよ」

 サワに尋ねられた小谷は、こう答える。

「顔」

 身もふたもない答えにサワはあっさりと「顔好きやだんね中学生って」「しらんけど」と納得。

 ナットクするようなしないような理由だが、冒頭の蛇と蛙が冬眠しながら見守っているのと同じで、ここでは独自ルールが展開しているのだ。常識的ではないとか関係ない。遊び場で、そこだけのルールが生まれ、楽しく遊ぶような、開放的な世界が広がっている。この感じに慣れると、すごく心地よい。

 ルールとは効率良く生きるために便宜上作られたものであって、場所や人が変われば、変わるものだし、変わっていい。郷に入っては郷に従え、で、『ばけばけ』ルールに身を委ねるのが吉だと思う。

 小谷とサワが話していると、勘右衛門(小日向文世)がやって来て「ペリー(ヘブンのこと)の子分じゃと」と木刀を構える。「孫がヘブンのところで働いちょるくせに」とサワ。

 小谷が去ったあと、トキが家から出てくる。

「秋生まれの春夫」と言って笑うサワ。なんのことかわからないが一緒に笑うトキ。相変わらず箸が転んでもおかしい感じのふたりは、キャハハハと軽やかに転がるように駆けて行く。

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