3位と5位に登場した
「意外な企業」

 3位はテレビ朝日系列の朝日放送テレビを中核とする持ち株会社の朝日放送グループホールディングス(HD)で、平均年収は1157.8万円(従業員数108人、平均年齢48.5歳)となった。

 24年3月期までは従業員数が100人未満だったため、ランキングの対象とならなかったが、25年3月期は100人を超えたため、ランキング上位に登場した。

 なお、同社のランキングを見る上では、後述する通り、持ち株会社であることに注意が必要だ。

 4位は武田薬品工業で、平均年収は1103.8万円(従業員数4808人、平均年齢43.4歳)。前回(24年版)ランキングは3位だったため、順位は1つ落としたが、平均年収は1081.3万円(従業員数5474人、平均年齢43.3歳)から約23万円増加した。

 5位は設備工事大手のダイダンで、平均年収は1066.4万円(従業員数2070人、平均年齢42歳)。前回ランキングでは905.3万円(従業員数1687人、平均年齢41.9歳)だったため、平均年収は161.1万円もの大幅増となり、ランキング上位に浮上した。

 同社の業績も好調で、25年3月期の業績は売上高が2627億円(前年比33.1%増)、営業利益230億円(同111.8%増)、当期純利益174億円(同92%増)となった。

 最後に、ランキング上位の「会社の形態」についても触れておきたい。

 今回のランキングで3位となった朝日放送グループHDは「ホールディングカンパニー」だ。

 ホールディングカンパニーは「持ち株会社」とも呼ばれ、傘下のグループ企業を「親会社」として統制する役割がある。

 そこで働く従業員もグループ企業の「エリート層」であり、事業の運営会社に比べ、少人数であることが多い。このため、総じて平均年収も高額になる傾向がある。

 今回のランキングで、平均年収が800万円以上の企業は53社あった。24年版では47社だったので、6社増えたことになる。物価高を背景に賃上げを求める声が強まる中で、給料を上げる企業が増えていることも影響しているだろう。

 53社について業種別に内訳を見ると、建設が9社、卸売が8社、化学が7社、医薬品が5社、電気機器、機械、食料品がそれぞれ4社、情報・通信、小売、陸運がそれぞれ2社、倉庫・運輸、鉄鋼、電気・ガス、非鉄金属、不動産、輸送用機器がそれぞれ1社となった。

 次ページ以降では上位200社のデータを掲載している。パナソニックHD、大和ハウス工業、ダイキン工業、積水ハウス、クボタ、シャープ、関西電力、江崎グリコ、シマノといった有名企業が多数登場するので、ぜひチェックしてほしい。

(ダイヤモンド・ライフ編集部 松本裕樹)