「自分は賢い」と思い込んでいる人が使う言葉・ワースト1

ビジネススキル「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術

2025年12月2日 6:30

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

Photo: Adobe Stock

「賢いつもり」の人が使うセリフ

本人は「頭がいいつもり」で話しているのに、周りからは

・「この人、話が浅いな」
・「なんかズレてるな」
と思われてしまう人がいます。

その残念すぎる原因は、意外にも“たった一種類の言葉”にあります。

その言葉とは、
・「いつも」
・「だいたい」
・「たいてい」
・「よくあるんだけどさ」

といった、一般化されたフレーズです。

一般化された言葉は「解釈」を押し付ける

例えば、次のような人がいます。

・「うちの部署って、いつもトラブル起きるよね」
・「たいていAさんが遅いんだよ」

一見すると分析しているように見えますが、これらはすべて“本人の解釈”を“事実”のように語っているだけです。

しかし「いつも」や「たいてい」は、何も特定していません。いつのことなのか。どの出来事なのか。何回あったのか。

根拠が一切ないため、聞き手からすると
・「この人は思い込みで話してるな」
・「事実を確認していないのに決めつけてくるな」
という印象を与えてしまいます。

事実質問で、まず事実を確認する

本当に頭のいい人は、一般化された言葉をほとんど使いません。代わりに、
・「直近でトラブルがあったのはいつ？」
・「最初に遅れが出たのはどの案件？」
と、事実を特定する質問をします。

事実が揃えば、解釈のぶつかり合いではなく、同じ土俵で対話ができます。これこそが、賢い人の会話の仕方です。

もし自分で無意識に使っていたら、今日から「一般化された言葉」をぜひやめてみてください。会話の精度も、周りからの信頼も、驚くほど変わります。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です）