頭が良さそうなのに「実は考えが浅い人」1つの特徴

ビジネススキル「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術

2025年12月4日 7:00

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

Photo: Adobe Stock

実は「考えが浅い」人が使う言葉

一見するとロジカルで、分析が得意そうに見える。しかし話を深めていくと、「あれ、この人ちょっと浅いな…」と感じるタイプがいます。

その代表的な特徴が、“なぜなぜ分析に固執すること”です。

表面的には賢く見える「なぜ？」の罠

失敗やトラブルが起きたときに、
・「なんでこうなったの？」
・「どうして間違えたの？」
と原因を“なぜ”で追及する人がいます。

本人は「問題解決に向けて深掘りしている」と思っていますが、実際には問題が起きます。それは、相手は責められているように感じるため、「その場しのぎの“理由っぽい何か”が作られる」ということです。

つまり「深掘りしているつもり」で、実はただ相手を追い詰めているだけなのです。

今の時代、「なぜで詰める」は通用しない

昔の文化とは違い、今は立場も経験値も温度感もバラバラのチームで働く時代です。

そこに、「なぜやらなかった？」「なぜ気づかなかった？」と詰問調で切り込むのは逆効果です。

頭が良い人がやっているのは「事実の確認」

本当に賢い人は、原因追及をいきなりしません。最初にするのは“事実の確認”です。まず“事実”を聞き、その上で淡々と状況を整理するのです。

今日から、「なぜ？」の代わりに「いつ？」「どこ？」「誰？」を使ってみてください。単純に見えて、会話の深さが一気に変わることを痛感できるはずです。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です）