Fラン大学には事情がある人の「受け皿」の役割もある
――ここまでのお話だと「Fラン大学」はないほうがいいという結論のように思えるのですが、違うのでしょうか。
びーやま:はい。ここからがむずかしいところで、Fラン大学が挫折してしまった学生やなにかしら家庭の事情を抱えた学生の受け皿になっているところもあります。
たとえば、家族の介護などをしなければならず、資金面はクリアしているものの地元から通える範囲の大学にしか行けないという学生もなかにはいます。住んでいる場所が都心であれば、国公立大学から私立大学まで1時間圏内には名門大学があるものですが、地方の場合はそうではありません。
ほかにも高校で不登校になりドロップアウトしかけてしまったけど、なんとか克服して大学に通うことを決断した学生なども少なくありません。
こういった学生が学ぶ場所をなくしてしまうことも考えると、簡単に「なくせ」というのは言えないなと。
――なるほど。ただ、学ぶ場所という意味なら都会の大学の通信制などもあると思うのですが、その点はいかがでしょうか。
びーやま:たしかに、レベル的にも学歴的にもそのほうが合理的なケースはあると思います。ですが、やはり10代で大学受験するとなったときに、キャンパスライフに憧れを持つのは自然なことなのかなと僕は思います。やっぱり物理的なキャンパスに誰もが一度は憧れるじゃないですか。
――おっしゃる通りですね。びーやまさんがこの問題はむずかしいとおっしゃる意味もよく理解できました。
びーやま:さっきから行ったり来たりするようで恐縮なんですが、とはいえ「Fラン大学」が放置されているのは健全ではないので、各大学の奮起に期待しています。
同時に、今回の相談者が大人であればいいのですが、もし受験生なのであれば、「Fラン大学はいるかいらないか」みたいなことは一度忘れて目の前の勉強に専念してほしいと思います。こういった社会問題に興味を持つことは素晴らしいことですが、受験生の場合は人のことよりもまず自分のことです。
いずれにしても「Fラン大学問題」は偏差値がないならなくせばいいと簡単に言えないものがあると思います。もちろん解決・改善していくべきことですが、思っている以上に複雑な問題でしょう。
――ありがとうございました。大変勉強になりました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。










