元フィデリティ投信の投資調査部長を務めた著者であるポール・サイさんが「S&P500」の3倍超という驚異的なリターンを生んだ米国株の投資術を初公開! ポール・サイさんが株価低迷期にエヌビディアを買い、成長を見抜けたのは、企業に潜む“成長のストーリー”を見抜いたから。初の著書『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』では、そんな、成長ストーリーの読み解き方から、銘柄選びの極意、買いのタイミング、暴落時の対処法、リスク管理までを体系的に解説。さらに、厳選した“10倍株”候補の8銘柄も特別公開!新NISAで投資を始めた人、日本株から米国株へとステップアップしたい人に最適な、“米国株で勝つための決定版”だ。今回は、その『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』から、著者が税制優遇制度を使い、長期投資で大きな資産をつくった方法について抜粋し解説する。
ポール・サイストラテジスト
UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。外資系大手資産運用会社フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長を歴任し、12年以上にわたり株式調査に従事。2017年に独立し、40代でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を達成。現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用しながら、メルマガ等で個人投資家への助言を行う。台湾系アメリカ人で、中国語、英語、日本語に堪能。(写真:圷邦信)
税制優遇の制度などを積極的に使って1億円をつくる
アメリカには子どもの教育資金のための特別な積立口座があり、税制上の優遇措置があります。私はこの口座を利用し、S&P500のインデックスファンドを中心に株式ファンドを積み立てていました。これは個別株に直接投資するのではなく、ファンドを通じた株式投資でしたが、税制優遇の効果もあり、値が下がった時に多めに投資しつつ、長年コツコツ積み立てたことで1億円以上になりました。元々は子どもたちの教育費と考えていましたが、今では孫やその先の代の教育資金としても活用できるほどの額です。
NISAやiDecoを積極活用しよう!
また、フィデリティは未上場企業ですが、日本の従業員持株会と似た仕組みで自社株を購入できました。この制度には社員に有利な点があり、私は積極的に活用して資産を運用しました。資産形成にあたって、このように税制優遇などの制度的に有利な仕組みがあれば、積極的に活用していくことをおススメします。日本でいえばNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)がその代表例といえるでしょう。
フィデリティは資産運用会社ですから、社員が個別株を売買するには一定の制限があり、事前の許可申請が必要になることもありました。そのため、いつでも自由に売買できたわけではありません。ただ、私は短期売買を行わなかったので、そういった制限が足かせになることは比較的少なかったのです。逆に、制限があったおかげで、長期投資のメリットを感じることができました。
短期投資ではなく長期投資がオススメ!
同じ株式投資でも短期売買はどうしても投機的になってしまいます。私はそうした投機的な取引を避けてきました。同様に、ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)に投資して、大きな値上がりを狙うといった投機的な手法も行いませんでした。
私の基本は長期投資。これは不動産でも株式でも、その姿勢は変わりません。個別株では、自分がアナリストとして担当していた日本の海運会社の株など、詳しく知っている銘柄へ投資しました。また、ゲームを通じて親しみのあったエヌビディアには、AIブー到来する前から投資していました。
給与の大半を投資に回す!
収入が増えても節約志向は変えず、生活水準を大きく上げることなく過ごし、給与の約7割を不動産と株式の長期投資に回す――これが私が実践してきたことです。その結果、目標よりかなり前倒しでFIREを達成できました。フィデリティ退職後は、不動産投資を減速させ、主な投資対象は株式に絞っています。フィデリティの自社株を持っていた分が現金化されて戻ってきたため、その資金を米国のテクノロジー企業を中心に世界の株へ投資しています。
※本稿は『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。







