現役世代は減額、若者は増額?
揺らぐ年金の世代格差
実際、政府は過去30年以上にわたって、現役世代の保険料を引き上げることで制度の維持を図ってきました。
保険料を引き上げるということは、徴収額を増やすことを意味しています。
年収400万円の人は現在、月約3万1000円の保険料を徴収されていますが、30年前に現役世代だった人は、月あたりおおよそ2万8000円で済んでいましたから、現在よりも保険料の負担は小さかったと考えてよいでしょう。
これまで政府は現役世代が負担する保険料を引き上げることで対処してきましたが、日本の少子高齢化の進みは早く、現役世代の保険料を引き上げるだけでは改善できない状況となっています。
加えて、これ以上、現役世代の保険料を引き上げると、負担が重くなりすぎ、年金を受け取っている高齢者との不公平感が拡大してしまいます。
こうした状況から政府は、これ以上現役世代の負担を増やさないという決定を行いました。保険料という収入が増えない以上、財政を安定化させ、現役世代の負担を減らすためには、高齢者に給付する年金を減額するしか方法はありません。
そこで政府は、高齢者の年金を強制的に引き下げる措置の発動を実施しました。これが「マクロ経済スライド」と呼ばれるものです。
この制度の発動によって、高齢者が受け取る年金は、定期的に強制的に減額されています。
今のペースで年金の減額が続いた場合、今、40代、50代の人たちが年金を受け取る頃には、現在の水準から2割から3割程度、年金が減る可能性が出てきているのです。
では、さらに若い世代の人たちはどうなるのでしょうか。
繰り返しになりますが、日本の公的年金制度は賦課方式であり、現役世代から徴収する保険料で高齢者の生活を支える仕組みですから、高齢者の割合が減ってくると、相対的に年金財政はよい方向に向かいます。
現在、日本の人口構成を見ると、団塊の世代とその子どもの世代(団塊ジュニア世代)が極めて大きな山となっており、頭でっかちな逆三角形の形になっています。







