少し不謹慎な話になりますが、人間には寿命がありますから、現在、団塊の世代の人たちもいずれは亡くなります。そうなってくると人口構成における大きな山の部分が、近い将来、消滅することになりますから、人口ピラミッドはフラットな状態に近づくでしょう。

 もちろん、それを上回るペースでさらに少子化が進み、誰も子どもを産まないようになってしまえば、状況は変わらないかもしれませんが、そこまでの超少子化というのは少々非現実的です。

 出生率の低下はどこかで止まりますから、一定レベルの出生率を維持できれば、人口構成の変化によって年金財政は好転する可能性が高くなります。

「破綻する」と言われ続けながら
もう30年が経っている

 2024年に行われた最新の試算では、現在、40代ぐらいの人までは、もらえる年金が減る見通しですが、さらに若い世代の人たち、具体的には今、10代や20代の人たちは、場合によっては年金額が増える可能性もあるという結果が出ています。

 これが客観的な公的年金の現状であり、これを絶望的な状況と見るのか、そうでもないと見るのかは、読者の皆さんに判断していただくより他ありません。

 しかしながら、専門家として感想を言わせてもらえば、支払った額の2.5倍のお金がもらえ、かつ制度が破綻する心配がほとんどなく、この先、減額されるにしても2割から3割程度に収まるということであれば、私は許容できる範囲ではないかと思います。

 そう考えると、巷で噂されている「年金は払っても意味がない」「年金は破綻する」といった類の情報は、極端なものであり、ある種のフェイクニュースと考えてよいのではないでしょうか。

 実はこうした年金破綻論は、近年、盛り上がっているように見えますが、そうではありません。

 年金制度が人口構成に依存することは周知の事実ですから、実は筆者が若い頃から、将来、年金はなくなるとまことしやかに語られていました。