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「家計が全然ダメで、お金が貯まらないんです」と相談にやってきた夫婦。「妻は家計簿をつけられないし支出も把握できていない」という夫に、妻は横で申し訳なさそうにしています。手取りで毎月48万円の収入があるのに、なぜ赤字になってしまうのか。FPが詳しく調べていくと、原因は意外なところにありました。(家計再生コンサルタント 横山光昭)

お金を貯める鉄則とは?

 お金を貯めるには、どうすることが正解か。できることはたくさんありますが、鉄則は「収入の中で支出を納めること」です。それができなくて、家計相談にいろいろな方が来られます。

 良い取り組みをされている方も多いのですが、「ちょっとこれは(ダメだな)……」と思わされることもあります。例えば、支出に優先順位をつけることができず、支出の見直しができない方とか、軸がないので自分の意見もないとか、人任せにして流されてしまうといったケースです。

 お金の面で、暮らしを良くしたい、将来の不安をなくしたいと思うなら、今の家計や支出の仕方にきちんと向き合うことが大切です。今を楽しく幸せに暮らすために必要な支出は何かを見極め、優先順位をつけて支出していく。優先順位の低い支出は、頻度を下げたり、支払いをやめるなどして収支のバランスをとり、黒字部分を貯蓄に回していくのです。

 こういうことが頭の中ではわかっているはずなのに、行動に移さない人がいます。減らせる支出がないといい、支払いをそのまま続けます。そうなると、当然家計に変化はないですし、貯蓄ができるようにもなりません。こういう変化のなさの裏には、支払いを続けていればやがて良いことがあるという期待や、ここまで支払ってきたものが無駄になってしまうという思いがあるのかもしれませんが、「変わりたい」という入り口に立ったはずなのにこうでは、残念です。