「仕事の結果ばかりに目を向ける人」にモヤモヤする……
そんなあなたにお勧めしたいのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「仕事の人間関係が良くなる!」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「数字にならない仕事」はムダなのか?
「頑張っても、結果が数字で出なければ意味がない」
仕事をしていると、ついこう考えてしまう人もいます。
売上、効率化、KPI、目標達成率…たしかに数字はわかりやすく、評価しやすい。
だからこそ、人は数字に現れる成果ばかりを追いたくなるものです。
しかしその一方で、頑張っても数字につながらない仕事に対しては、「これ、意味があるのかな?」と、疑問を抱いてしまうこともあります。
『チームプレーの天才』でも、このように指摘されています。
たとえプロジェクトが完了しても、その効果が数字として表れないと「これ、意味あったのかな?」「何のためにやったんだっけ?」と悩んでしまうことも。
とりわけ新たなチーム、新たな取り組みであればこそ、周りも自分たち自身も意義や価値を見失いがち。
――『チームプレーの天才』(326ページ)より
新しいプレーヤーと手を組み、新しいことを始めた場合などは、当然、すぐに結果が出るとはかぎりません。
ですから「結果=数字」という考え方は、しだいにチームに不和をもたらしてしまいます。
その点についても、『チームプレーの天才』はこのように指摘しています。
やがて「自分たちは何者か?」とアイデンティティ・ロスやキャリア迷子になったり、「あの人たちは何をしているの?」と疑心暗鬼の目を向ける人が現れたりして、メンバーと周りの人たちのモチベーションが徐々に下がっていきます。
――『チームプレーの天才』(326ページ)より
「成果」だけでなく、「変化」にも目を向ける
では、すぐに数字が現れないような仕事に着手する場合、もしくはメンバーの「結果=数字」という認識を変えていきたい場合、どうすればいいのでしょう?
『チームプレーの天才』は、こう提案しています。
他者の評価に縛られず、自分たちで、そのチームやプロジェクトに意義を見いだす。その営みが、持続可能なチームプレーにおいては不可欠です。
――『チームプレーの天才』(327ページ)より
やり方が少し改善された、チームの雰囲気が柔らかくなった、顧客の反応がわずかに良くなった、そんな一つひとつの前進は、たとえ数字という結果は出なくても、確かに未来の成果を育てています。
数字だけを見ていると、その芽に気づけません。
しかし変化に目を向けられると、仕事の価値がまったく違う形で立ち上がってきます。
そんな人が、チームのモチベーションを支えることができ、職場で好かれる人なのです。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)





