「10の特徴」は、実は3つの根本原因にまとまる
❶基準が“自分の感情”になっている
恐れ・機嫌・好み。その日の気分で判断が揺れる。
❷成果の定義が内部指標
“数字だけが成果”と思い込んでしまう。本来の成果は、組織が外の世界に生み出す変化。
❸責任を引き受けない
権限は欲しいが、責任は取らない。
問題が起きると、言い訳・忙しいふりが出てくる。
この瞬間、リーダーシップは確実に弱くなる。
ではこれらを元に優秀なリーダーとは、について考えてみましょう。
ドラッカー的・令和の優秀なリーダー3タイプ
①“自分”ではなくミッションを基準に判断するリーダー
優秀なリーダーは、感情や好み、その場の空気では判断しません。
いつも中心に置くのは「何のために(ミッション)」。
ミッションを念頭に置いているからこそ、
・厳しくすべき時には、冷静に厳しく
・寄り添うべき時には、迷いなく寄り添える
この“判断基準の一貫性”が、メンバーにとって大きな信頼となります。
「効果的なリーダーシップの基礎とは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に定義し、確立することである」(『プロフェッショナルの条件』)
②“成果と貢献”を見るリーダー
優秀なリーダーは、数字そのものだけを成果と考えません。
軸にするのは「一人ひとりのメンバーが何にどう貢献したか」。
・顧客価値はどう高まったか
・チームは以前より強くなったか
・一人ひとりのメンバーは強みを生かせているか
こうした視点を持つことで、数字に追われるのではなく、
真になすべきことを生み出せるチームになります。
『成果に焦点を合わせることこそリーダーの仕事である』(『非営利組織の経営』)
③責任から逃げず、チームの“成果条件”を整えるリーダー
優秀なリーダーは、「自分が成果を出す人」ではなく、「チームが成果を出せる状態をつくる人」です。
そのために必要なのは、派手な言動ではなく淡々と環境を整える姿勢。
・1on1で仕事の定義を明確にする
・役割のズレ、認識のズレをなくす
・障害物を取り除く
・課題を丁寧に聞き取り、プロセスを改善する
これは「優しさ」ではなく、“責任を果たすリーダーの姿”です。
「リーダーシップの素地として、行動と責任についての厳格な原則、高い成果の基準、人と仕事に対する敬意を、日常の仕事において確認するという組織の文化に優るものはない」(『現代の経営』)
優秀なリーダーを決めるのは「性格」ではなく“姿勢”である
吉田:ドラッカーは『現代の経営』の中でこう言っています。
「リーダーシップとは姿勢」
どんな人物かではなく、どんな姿勢で責任を果たしているか。ダメか優秀かを分ける決定的なポイントは3つ。
◻︎感情ではなく、ミッションで判断する
◻︎数字ではなく、貢献で見る
◻︎言い訳ではなく、責任を引き受ける
この3つの姿勢こそドラッカーが示した“ぶれないリーダーの原則”であり、令和の組織で信頼を得るリーダーに必要なポイントといえます。








