新刊『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』は、東大・京大・早慶・旧帝大・GMARCHへ推薦入試で進学した学生の志望理由書1万件以上を分析し、合格者に共通する“子どもを伸ばす10の力”を明らかにした一冊です。「偏差値や受験難易度だけで語られがちだった子育てに新しい視点を取り入れてほしい」こう語る著者は、推薦入試専門塾リザプロ代表の孫辰洋氏で、推薦入試に特化した教育メディア「未来図」の運営も行っています。今回の記事では、日本の大学入試について、孫氏と『1%の努力』著者のひろゆき氏の特別対談をお送りします。(構成/ダイヤモンド社・森遥香)
ひろゆき氏(撮影:榊智朗)
勉強しない人は大学に行かなくていい?
ひろゆき氏: 日本の大学の多くは、受験勉強を通じて努力ができるようになった学生が、入学後に勉強しなくても卒業できるように作られているんですよ。努力ができるという証明さえあれば、基本誰を入れてもそんな変わらんよねっていう。むしろ、努力ができなくて脱落しちゃう人をいかに切るか。
孫辰洋氏(以下、孫氏):なるほど。
ひろゆき氏: フランスやアメリカみたいな方式にすると、単位を取るためにめちゃめちゃ勉強しないと単位取れない。そうすると、そこで必要なものを学習するというスキルをちゃんと持って社会人に行く。日本の大学システムは、その習慣を捨ててしまう構造になっているのが問題です。
本来であれば、単位を取れない人はバンバン切っていくべきなんですよ。フランスの場合は学費がほぼ無料なんで、単位取れない学生は退学になっていく。勉強しない人は大学に行かなくていいでしょ、って。
日本もそうしないと、勉強しなくても卒業できるじゃんって、世界中から薄々バレている。アメリカの大学だと聞いたことがない大学でも、GPA4.0を取りましたって言ったら、お、すごいじゃんってなるんですよね。
学部選びで別れる明暗
孫氏: 個人的に好きな学科は東京外国語大学のラオス語専攻なんです。日本とラオスの外交はほとんど、そこの卒業生が担っている。でも偏差値は低くなってきている。
ひろゆき氏: ラオス語とか中央アジア系の言語とかって、就職率が異常に高いんですよ。外務省がいつも足りてないとか、警察での通訳とかもいつも足りてない。なので、就職率の高さを打ち出して、人気で入らせるっていう方がいいんじゃないかな。
孫氏: 逆の例で言うと、経営学部ってほとんどの大学にありますが、正直僕はいらないと思うんです。
ひろゆき氏: ですね。経営に携わりたいと思うなら、机上の理論ばかり聞いていても本当に役に立たないんですよ。教科書の経営の仕方みたいなのって別に知らなくてもいいわけで。
要するに、人気のある学部とか必要とされている学部は残すべきだし、「これが好きだよね、で実際これがちゃんとマーケットあるよね」っていうのだったら、それにあわせて学科を作りますという柔軟な学校に、優秀な生徒が入るっていうのが理想的だと思います。
――ひろゆきさん、孫さん、ありがとうございました。
(この記事は『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』を元に作成したオリジナル記事です)




