東京大学の安田講堂 Photo:PIXTA
小学校時代は大手集団学習塾に通わず、中学受験せずに公立中に進んだ少年は、なぜ日本トップクラスの「灘高校」に合格できたのでしょうか。勝因は、多くの人が良かれと思って繰り返している「無駄な勉強法」を避けたことにありました。その代わりに編み出した、スキマ時間に1分でできる「スピード勉強法」とは?高校卒業後は東京大学に進んだ筆者が、学びの極意を伝授します。(作家・講演家 寺澤伸洋)
※本記事は【前後編の前編】です。公立と灘の校風の違い、生徒や授業のレベル差、東京大学に合格するまでの道のりについて語った後編は以下のリンクからお読みいただけます。
・「公立中から灘高合格」の男がビビった超進学校の実態!塾なし・滑り止めなしで東大に受かった“異次元の授業”とは?
「高校から灘」に入れるのは
たった50人の秀才だけ
灘(なだ)といえば、関西の学校でありながら、東京大学の合格者数ランキングで毎年上位に名を連ねる中高一貫校です。ただ実は、中学入学から高校卒業までずっと同じメンバーで過ごすわけではありません。
灘は中学入学組が150人程度、高校入学組が50人程度と、高校から1クラス分の生徒を受け入れています(注)。もちろん、その入試は狭き門。今回は公立中学から灘高校に合格した僕が、どのような勉強をしたのかをお話しします。
注:筆者の在学当時。灘中学校・高等学校の公式サイトによると、現在は中学入学組が180人程度、高校入学組が40人程度となっています。
僕は小学生の間、いわゆる集団型の学習塾には入らず、小5から公文式で数学、小6から地元の個人塾で英語を勉強していました。
筆者が灘高校に合格した際の成績通知表拡大画像表示
中でも印象深いのが、公文式での学びです。シンプルな計算問題を繰り返すうちに力が伸び、小5・小6の2年間で中3レベルの因数分解や2次方程式に挑戦できるレベルになりました。新しい知識を得ることに喜びを感じるようになったのです。
また、上手くはないものの地元の野球チームに入っていたり、ピアノを習ったりと、勉強以外の習い事もさせてもらいました。こちらはまったく芽が出ませんでしたが。
当時は中学受験など視野に入っておらず、私立中学の試験問題など見たことすらありませんでした。小学校の通信簿では「優・良・可」のうち「可なし、良が2~3個、あとはすべて優」とそれなりに上位の成績でしたが、ただただ学校の授業をまじめに受け、放課後は習い事に通った小学校時代でした。







