「気遣いができるつもり」なのに周りから疎まれる人のNGフレーズ

ビジネススキル「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術

2025年12月9日 7:35

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

Photo: Adobe Stock

「どう？」は一見やさしいのに、実は最悪の質問

本人は「気を遣って話しかけているつもりでも、周りからすると、
・「この人と話すとなんか疲れる」
・「雑に扱われてる気がする」
と距離を置かれてしまう人が使っている言葉には1つの特徴があります。それは、乱暴な「どう？」質問です。

「どう？」では何を聞きたいかわからない

・「最近どう？」
・「仕事どう？」
・「休みどうだった？」

こうした質問は、一見フレンドリーで気さくですが、実は相手に負担を与えます。
なぜなら、「どう？」では何を答えればいいのかが曖昧だからです。

相手は頭の中で、「何の話？」と一気に情報整理を迫られます。仕事のこと？体調のこと？それともプライベート……？と、何から答えればいいのか、悩ませてしまうのです。

つまり、聞いている側は適当に投げているのに、答える側は重労働になってしまう質問なのです。

「会話の空白を埋めたい」から話していないか

「どう？」を使う人の多くは、「気まずい空気を埋めたい」「とりあえず何か話したい」という気持ちで使っているかもしれません。しかし相手には「結局、興味なく適当に聞いてるだけでは？」と思われてしまいます。

つまりせっかくの気遣いのつもりが、“雑なコミュニケーション”として伝わってしまうのです。本人に悪気がないだけに、さらに厄介です。

頭のいい人は、まず事実を尋ねます。相手に負担がないように自然に会話を始めるには、本書で紹介している「事実質問」がおすすめです。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です）