歯は磨けないけど、朝起きてスマホは見られた。

 メイクはできないけど、冷蔵庫を開けて牛乳は飲めた。

 なんといっても、「消えたい」と思ってるのに、生き延びてるじゃないですか。つらい気持ちと戦って、生き延びた。

 それはとんでもなく素晴らしいことです。

 何もしていなかったとしても、一日中横になっていても、です。

 僕はいつも、こう思うんです。

 何もできなくて、ただ生きているだけ。

 それがどんなに素晴らしいことかを知ってほしい。

 何もできない、自慢できないポンコツな自分を、理屈抜きに愛する感覚といったらいいでしょうか。

 この感覚をもつことが、ついがんばりすぎてしまう人、他人に振り回されてしまう人にとって、とても大切なことです。

 この感覚を「セルフラブ」っていいます。

 自分を愛する、自分を慈しむ、自分を許す、自分を認めるというような感覚です。

「自己受容」とも近い感覚だと思います。

「セルフラブを大事にしてください」「自分を愛してあげてください」と言うと、「ダメな自分を愛するなんて無理です」「認められる部分なんて、1つもありません」なんて言う人もいます。

 大丈夫です。いいところなんて何もなくてOK。

 なぜならセルフラブって、「これができるから」とか「誰かより優れているから」もつことができるものではないからです。

 ただ、今ここにいる、ありのままの自分を愛する。

 何もできない赤ちゃんを愛する親のように、根源的な受容なのです。

 このセルフラブの感覚をもっと大切にしてください。

「あれができる、これができる」で塗り固めた自己肯定は簡単に崩れ落ちる。

「あれもできない、これもできない、でもそんな自分でいい」。

 そう思えるようになりたいですね。

疲れがたまったら
「ちゃんとした自分」をぶち壊す

 疲れがたまってくると、ちょっとしたことにイライラしたり、ついものごとを否定的に考えてしまったり、大事なことを雑に扱ってしまったり、あまりいいことはありません。だからなるべく疲れすぎないようにとお伝えしてきました。