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ストレス社会において、「メンタルが弱い」「あれもこれもできない」と自分を追い詰めて悩んでしまう人は多い。そんな人でも幸せを感じられるようになる方法を、精神科医が解説する。※本稿は、精神科医の藤野智哉『「誰かのため」に生きすぎない 精神科医が教えるがんばりすぎない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
心を鍛えて強くするよりも
受け流す力をつけよう
「どうしたら心を強くできますか?」と聞かれることがあります。
心を鍛えて強くするより、弱くても生き延びられるよう、ストレスの受け流し方やケアの方法を身につけるほうが圧倒的に大事だと思っています。
筋肉は負荷をかけることで鍛えられますが、心ってそういうものではないんですよね。負荷をかけ続けると折れてしまいます。
最近、よく取り上げられるのが「レジリエンス」という言葉です。
「しなって元に戻る力」みたいな意味で使われています。
たとえば「強い木」というと、もちろん「太くてしっかりした木」もそうなんですが、「よくしなる木」もやっぱり強い木だと思うんですよ。
強風が吹いてもよくしなるから、めったに折れない。そのうち枝分かれして風を受け流せるようになっていく。
そうした「受け流す力」もまた、強さだと思います。
あるいは、神社の御神木には添え木をすることがありますよね。自分以外のものに重さを分散させて、折れないようにしているのですが、別に1本で強く立つ必要はないんですよね。
人間も同じで、自分にかけられた負荷を他人にちょっと手伝ってもらうのも強さだと思います。







