立場を入れ替えてみると分かりやすいと思います。もし日本が侵略されているときにどこかの国の大統領が来て、彼らの宗教にもとづいて呪いをかけた人形を渡して、「これに思いっ切り呪いをかけています。これを使って戦争に勝ってください」と言うのと同じ状況です。

岸田は話が通じない!?
必勝しゃもじの意外な副産物

 きっと岸田さんの「必勝しゃもじ」は、ゼレンスキー氏に大きな影響を与えたと思います。

 どういう影響かというと、しゃもじを渡すことによって、「日本はまともな話が通じない可能性があるから、支援などの交渉は無駄だ」と思わせた可能性がある。

 あの贈り物があったから、日本からの軍事支援は期待されなくなったのかもしれません。

 その後のウクライナへの支援を見ても、日本からの支援はどこか「抜けている」といった印象です。

 2023年5月には広島で行われたG7サミットに合わせてゼレンスキー氏が来日しましたが、あのときは金銭による支援をしていないんですよね。78億円の借款を支払い猶予しているだけです。

 これは闇金でいうジャンプというやつですね。今月は払わないでいいよ、というだけです。

 それから自衛隊車両を100両、提供しています。しかし、提供したのはすべて廃車になったもので、近いうちにスクラップになる予定だった車両です。

『愛国の罠』書影『愛国の罠』(佐藤 優、ポプラ社)

 どうしてそんなものを渡したのかというと、日本では自衛隊法により廃棄品しか提供できないことになっているからなんです。

 もし本気でウクライナを支援したいのであれば、法律を改正して廃棄品以外も提供できるようにすればよかったんです。おそらく当時の空気感であれば、「人道支援」という名目で国民の理解も得られたでしょうし、国会も通ったと思います。

 同じタイミングで、食料も計3万食をウクライナに提供していますが、実態は車両と同様です。

 提供したのは自衛隊食なのですが、廃棄品しか提供できないため、2023年3月31日で賞味期限が切れるものだったんですね。