表でロシアを非難して
裏ではビジネスを賢く進める

 また水産物に関しても制限をかけていません。だから居酒屋さんでもカニ祭り、イクラ祭りで、私たちは海産物を変わらず食べることができている。

 穀物に関しても、2024年の統計だと同年の1月から7月において、前年比でロシアからの輸入が5倍に増えています。

 量自体は大したことありませんよ。日本ではロシアの穀物は家畜の餌にも食べ物にも使っていません。では、なぜ増えているかというと、商社が輸入して東南アジアなどへ転売しているんです。

 また、医療機器も輸出が8倍に増えています。こういった水産物や穀物などを見ても、輸出制限をかけていないから、利益の面においてロシアと日本はビジネスをきっちりやっているわけです。

 2024年11月にロシアで行われたバルダイ会議において、プーチン大統領は日本に対して「日本にはまだ賢い人々がいる」という肯定的な評価もしています。

 ロシアとの経済的な関係をきちんと維持しているというのは、当時の日本の首相官邸を指しているわけです。官邸官僚たちは、水面下でロシアとの関係を維持するという方向でも動いていたんです。

ウクライナへの軍事支援額は
高速道路建設費1キロ以下

 3番目は「力の体系」です。

「力」とは、具体的に言えば直接的な援軍もありますし、金銭や軍事的な物品の支援も含まれます。

 日本がウクライナに軍事的な支援をしたのは、2023年の3月21日にキーウで岸田首相(当時)とゼレンスキー氏が会談した後に拠出した40億円分の装備品提供です。

 40億円という数字を大きいお金と見るか、小さいお金と見るかによって見え方も大きく変わるかと思いますが、国家における金額の価値を図るとき、私は「高速道路1キロの建設費」を基準にして比較をするようにしています。

 日本において高速道路1キロの建設費は、北海道から沖縄まで日本全国で、平均1キロ当たり約50億円と言われています。そうすると、日本がウクライナに供与したのは、日本からすれば高速道路換算で800メートル分です。